謎
菫野
謎
スフィンクスの美しき
くびすちに百合を咲かせた人たちが吸ひこまれてゆく湖がある
夏野原小鬼がひとり骨くぐる と見る間に星の湧きいづるかな
人間の耳に聞こえぬ夜と昼の呼びかはす声 頬切られゐし
わが明るき右半身をそよがせて川べりをゆく秋を迎えに
ひと房の葡萄をひだりむねに置き見よう見まねの
掘りおこす緑の手紙うらにはのアーモンドの根に爪をたてつつ
秋冷の火星にありやと問ふひとの踵透けゆく とどめがたきを
謎ひとつ思ひいづるにたましひの震ふ音ふかく野に響きゆく
火の首をいま抱き来ぬ
謎 菫野 @ayagonmail
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます