第2話母からの別れと唐揚げの味
入学式が無事に終わり、片付けに入った時のこと。教頭先生が近づいてきて、私の席を軽く叩きながら「頑張ろう」と一言かけてくれました。その瞬間、島での新しい生活に向けて、自分も頑張ろうと強く決意しました。
これから始まる学校生活がどんなものになるのか、不安もありますが、それ以上に楽しみです。新たな仲間と共に、この島での生活を精一杯楽しみたいと思います。入学式が終わり、解散となってから、私はこれから住むことになる寮へと向かいました。荷物を置き、少しホッとしたところで、ふと気がつくと母の姿が見当たりません。どうやら母は知らぬ間に船に乗って帰ってしまったようで、「またね」という短いメッセージだけが残されていました。突然の別れに少し寂しさを感じつつも、島での新しい生活が本格的に始まることを実感しました。
その夜、寮監さんと寮監さんの姉である元田さんが、「大丈夫だよ」と優しく声をかけてくれました。その一言に安心し、初めての寮での夜もなんとか乗り越えられる気がしました。
夕食は唐揚げでした。その唐揚げは驚くほど美味しく、私は一瞬で完食してしまいました。後になって聞いた話ですが、わざわざ特製のタレに漬け込んでいるそうです。その心遣いが、あの絶品の味を生み出していたんです。
食事が終わると、寮監さんが「今日はもう寝なさい」と優しく声をかけてくれました。その言葉に従い、私は新しいベッドに潜り込みました。少し不安だったけれど、心温まる食事と寮監さんたちの優しさに包まれたおかげで、すぐに眠りに落ちました。
これから始まる寮生活と学校生活。まだ見ぬ明日に期待を寄せつつ、私は新たな一歩を踏み出しました。
島流しと小さな恋 島流し @tubasa41
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