途中まで読んでの感想です。
本作は学園ラブコメに見せかけた、心理戦と社会風刺が絡む独特な作品です。思春期の男子の性欲を煽るシチュエーションが全面に押し出されながらも、裏には権力による支配と、性欲と理性の対立がテーマとして隠されているように思われます。
特に作品を引き締めるのが生徒会長・九条梢の存在。彼女は単なる高圧的な女王様ではなく「支配のために男子の本能を逆手に取り、統制しようとする策略家」でもあります。彼女の真の目的が現時点ではまだ曖昧ですが、興味深いです。
一方で女子生徒には参加のメリットが薄い点や、「H禁止法」の本来の理念と破廉恥ゲームの実態の間の矛盾には読者からの疑問も出ることでしょう。しかし今後、九条梢の真意と破廉恥ゲームの真の意図が明らかになれば、単なるエロコメ以上の物語に化ける可能性もあります。
突如エッチなゲームを強要される1年B組の高校生たち。このままでは意中のあの子も裸を晒されてしまう――。それを全力で阻止するため、ペアとなった主人公がめっちゃ頑張るというお話です。
まずこの設定が秀逸。好きな女の子を守るという大義名分が成立しているので、ほかのペアを襲ってもそこに嫌悪感は入り込みません。いい子なんです主人公。普通程度にはエッチですけど。
登場する女の子が傷つかないよう配慮が行き届いています。作中でこれだけポロリしているというのに、爽やかな夏の青春といった読後感。ラブコメパートはもちろんですが、友情要素だって熱いんです。
トラウマっぽい展開が苦手な人におすすめです。破綻もありませんし、正直いってクオリティ高すぎます。これが埋もれるのはもったいないと思い、お節介ながらレビューさせていただきました。