羽ばたけ、Sky Wizards！

魔法界に伝わるとある武勇伝

はるか昔。

世界は光と魔法に満ち溢れ、人々は平和に暮らしていた。

しかし、そんな人々を闇に溢れた魔物が次々と襲い、小さな都をどんどん潰し、犠牲者まで出てしまった。

その時、立ち上がったのは6人の勇者だった。

魔石の力で魔物を次々に倒し、最後の戦いまであと少しというところで、悲劇は起きた。

勇者の1人、天空の魔法を操る少女が魔物の闇に取り憑かれ、仲間を襲うようになってしまった。

残った5人は最後のチカラを振り絞り、彼女を倒した。

闇に溢れた魔物は全て消え、取り憑かれた少女は遙か遠くの空に消え去った。

こうして、世界に再び平和が訪れた。

魔物を倒した勇者たちは魔法界を救った勇者として、各都に銅像が作られ、戦いに使われた魔石と共に伝説として、次の世代に受け継がれていった。

魔物に取り憑かれてしまった少女が使用していたオーロラ色の魔石は、仲間に倒された際に真っ二つに割れ、１つは青空の魔石、もう１つは夜空の魔石に生まれ変わった。

２つとも、犠牲になった少女の故郷、天空の都が厳重に管理することになり、魔法界の悲しい伝説として、大切に受け継がれていった。

天空の都、初代王女、エレナ・レーギア・カエルムのたった１つの形見として。

(魔法界歴史書『魔物武勇伝』「6人の勇者の悲しき運命」一部より)