その21
──異世界8日目 その1──
昨日は持ち帰ったファングボアで、また宴会をしてたようだ。確かに毛皮と諸々は売り物にならない状態みたいだったけど身内で使う分には問題は無いそうで……要は買い取って貰えた訳だ。
「ま、傷だらけっつっても表面だけだし、本身までは貫通してなかったんだよな……」
どんだけ頑丈だよ?……って話な訳だ。ダンジョンと違って死体が消えないのも手伝って、興味本位で鑑定してみたんだけど……
いや、死んでるから情報が欠けまくってたんでレベル…いや、年齢と種族名しか見えなかったんだけどな?……でも、その数値を見てゾッとしたわ……
(何なんだよ……11って)
舐めてかかってたら、
◆◇◆
「ま、済んだ事はしゃあない……木材加工っと……あ」
〈木工関連スキルを開放します〉
と、言う訳で……俺は木こりに続き、木材加工業者スキルに目覚めたのであった……山の主スキル、パねぇわ……(苦笑)
ギコギコギコ……
コンコンコン……
カッカッカッ……
溢れる木屑やおが屑はどんどん
(ひょっとしたら、村の外で売れたりしないかな?)
端材以下のゴミで作れるから、元手はタダ同然だし案外イケるかもしれない……
「それは兎も角、組み立てるか」
切り出して加工した木材を少しづつ組み上げて行く……が、流石に一人では限界が来た。仕方なく、ベンケイに応援要請するが……
「あ……爪」
木材が硬めの頑丈そうな種類の物とはいえ、所詮はファングベアの爪には勝てない。持ち上げようとするも、簡単に爪で傷が付いていた。
ぐるぅ……
申し訳なさそうに唸るベンケイに、
「いやゴメンて。ちょっと待っててな?」
と落ち着いて貰い、まだ処理してない木屑をアイテムボックスから取り出す。
「これをあーーして、こーーして……出来た」
出来たのは熊の前足サイズの「手袋」だ。丁度爪が隠れて木材が傷が付かずに扱える……
「いや、おかしいでしょっ!?」
「うわビックリしたぁっ!?」
突っ込んだのはツッコミ芸人ではなく……
「あ、イリスさん、お疲れ様です」
「シギもお疲れ様ぁーー……じゃなくて!」
忙しい娘であった……(苦笑)
恐らくは、木屑から手袋を作った事に関してなんだろうけど……
(説明が面倒だな……)
これに限る訳で……はぁ、面倒だ。
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スキルコピーで密かに成り上がる! じょお @Joe-yunai
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