僕は正美さんに聞きました

春本 快楓

僕は正美さんに聞きました

 僕は正美さんに聞きました。

「家のご飯、飽きない?」

 正美さんは答えました。

「パパの愛情が込められているから私は好きだよ」

 


 僕は正美さんに聞きました。

「孝明のやつ、歌がちょっと上手いからって、裏声が変とか音程がズレてるって指摘してきて、ムカつくんだけど」

 正美さんは答えました。

「歌をもっと練習すればいいんじゃないの? それか、もう孝明とはカラオケ、行かないようにすれば?」

 


 僕は正美さんに聞きました。

「もうテスト始まっちゃうよ。いやじゃない?」

 正美さんは答えました。

「テストが嫌だと思うのは、勉強していない証拠だよ。たくさん勉強して、テスト範囲を完璧に覚えたら、テストなんて消化試合」

 


 僕は正美さんに聞きました。

「明日の弁論大会、緊張するな」

 正美さんは答えました。

「そうだね」

 

 僕は正美さんに聞きました。

「約束を破る友達、どう思う?」

 正美さんは答えました。

「どうも思わない……いや、こいつは将来、大変な人生を送りそうやなって思うかな」

 


 僕は正美さんに聞きました。

「死ぬのが最近怖いんだ。死んだ後、僕はどうなるんだろうと考えると、ゾッとする」

 正美さんは答えました。

「笑って一日一日を楽しんで。死に怯えて生活するなんて勿体ない。人生楽しめたら、そんな事どうでも良くなるよ」

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