第10話 ちょっと先の未来?

ある青年が街を歩いていた。


「僕はポイントカードを作らないんだ。とにかく面倒くさい。

カードは何枚も持つのは嫌だし、付くポイントも最近は少ない。」と一人でつぶやいていた。


青年が街へ入り、買い物をしているとあることに気がついた。


会計を済ませると、

店員が「5ポイント付きます。」と言っているのだ。


カードを提示していなのに、ポイントが付いているようだった。



そのことを店員に聞いてみると、


店内の防犯カメラで顔を写し、内部で顔認証IDを作り管理しているというのだ。



なぜか、世間では「カード要らず♪」「便利?」とそのシステムは評判がいいらしかった。




ある日、どうも体調が悪いので、青年は病院へ行った。


診察の結果、医者はこう言った。


「それは運動不足ですね。〇×キロしか歩いていないからですよ。」



そこで、青年はなぜ歩いている距離を知っているのかと、聞いてみた。



医者が言うには、防犯カメラで管理しているかららしい。


どうやら街中の防犯カメラと、顔認証システムと合わせて、

人の歩いている距離を測っているらしい。



「歩数計を持ち歩かなくてもいいので、便利ですよ。」


これまた、このシステムも世間に好評らしい。



またある日、銀行がリニューアルオープンしたので、青年は行ってみた。


青年は勝手がわからず、銀行内で迷っていると銀行員に窓口まで案内された。


こちらがまだ何も話をしてないのに、窓口のお姉さんに「〇〇円のお引き出しですね。」と言われた。



青年は、自分が引き出そうとしている金額とほぼ同じだったので、なぜ知っているのか聞いてみた。



窓口のお姉さんが言うには、カメラに映る顔の表情や過去の利用データから、AIを使い推測しているらしい。



このシステムも好評だった。




1年後。


青年の会社でも、カメラを使ったタイムカード管理システムができた。


出勤時間や退社時間をカメラから顔認証で自動的に記録するのだった。


ある日、青年は不思議なことに気がついた。


残業しているのに、定時退社になっていたのだ。


ただ、ちゃんと記録をしているものもあった。



それは遅刻、早退時間であった。



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ITに関する世界だったり 違ったり konoha @konohanoha

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