第2話 幼馴染との再会
俺はVTuberを目指している。
その選択に後悔はない。
_______
ある日の朝。
朝6時に目が覚めた。
「相変わらず殺風景な部屋だな」
そんなこと言いつつ俺は朝ご飯の順番をする。ちなみに朝ご飯はこの前買ったカップラーメンだ。
「よし、後は3分待つだけだな」
スマホをいじっていたときだった。
ピコン♪
「…なんだ?」
スマホが鳴った。スマホにメールが届いている。
俺のスマホにはあまりメールが届かないので不思議に思いつつ開いてみると、
「……え?」
どうやらVTuberになるための書類選考が通ったらしい。
「うおぉ、」
不思議な感じに襲われた。
ただ単に嬉しいだけじゃない、未来が少し見えたことに感動みたいなものも覚えた。
「…面接があるのか、」
面接は1週間後の日曜日らしい。最前を尽くせるように頑張らなきゃいけないのだが、
「…俺、最近人と関わってないぞ…」
そう、最近人と関わってないせいでコミュ力が心配なのだ。
なんか人に応援を貰いたい気持ちだ。
母に『応援をください』とお願いするのもなんだか恥ずかしい。
「あいつには話してみるか…」
俺には幼馴染がいる。ただ一人の幼馴染。
父が死んだときも励ましてくれた。
だけれどそれ以来一度も会ってない。
「『…俺の家来てくれないか、住所は◯◯だ。』と、」
急に連絡して来てくれるか不安だか、待つしかない。
幸い今日は大学の講義はない。
俺は家で待ち続けることにした。
_______
夕方。
まだ幼馴染は来てない。
「さすがに無理だったかなぁ…」
そんなことを呟いたときだった。
ピンポーン♪
ドアのチャイムが鳴った。
俺は急いで玄関に行くとそこには見慣れた顔があった。
「やっほー、久しぶり、何かあったの?」
「…来てくれたのか?」
「別に夕方は暇だったしね!」
こいつの名前は工藤柚乃(くどうゆの)。
可愛い顔立ちをした少女で俺と同学年だ。
「…来てくれてありがとう、とりあえず入って」
「おじゃましまーす、って部屋汚っ!」
俺の家には来客は滅多にないのでほとんど片付けてない。
「うるさいな」
「いや、これは片付けたほうがいいって」
「…そうか?」
「だって、これじゃ人呼べないでしょ?」
「………」
「…あ、」
どうやら察してくれたみたいだ。父が死んでから人と関わってないので大学には友達がいない。
「…とりあえず話していいか?」
「うん、何かあったの?」
ちょっと躊躇ったが、来てくれたんだ、話さない訳にはいかない。
「…実はVTuberに応募したんだ」
「…え?」
柚乃は驚きの表情を見せた。目をまんまるにして俺を見ている。
「ほ、ほんとに…?」
「うん」
「大河も変わったんだなぁ…」
「お父さんが亡くなって引きこもってたけど、自分でこの状況をなんとかしたいなって思って」
俺は包み隠さず全てを話した。
全て話きったとき、なんだか俺の心はすっきりした感じがした。
とある理由でVTuberになったら父の死の深い闇を知ることになった件について とんとん @llltontonlll
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