失恋してから立ち直るまでの7日間

失恋から7日目

　そしてまた朝がくる。外は小雨が降っており、私は少し憂鬱になる。

　私が全部悪いの？　雅彦には何の非もない？　晴美にメッセージを送る。

〈雅彦に彼女いるなら、教えてくれればよかったのに〉

　晴美は、両手を合わせて頭の上に掲げた猫のスタンプを送ってきた。

〈ごめんね。タイミング逃しちゃった〉

　いつか知ることになるのだから早めに言って欲しかった。

〈雅彦と何とか連絡つかないかな〉

　既読はつくものの、晴美はどう答えたらいいか悩んでいるようだ。

〈少し時間をおいたほうがいいんじゃない？〉

　晴美の返事に私は落胆する。時間をおくっていつまで？　時間をおいたら何かが変わるの？

　カーテンを開けて外を見ると、雨が止んで晴れ間が見えていた。

　私はまた昨日の砂場が気になってしまい、ルームウェアからワンピースに着替え、公園に向かった。

　砂場のお城はやはり壊れていたが、子どもたちが集まってまた何かを作っている。私はボーっと観察する。

　子どもたちは山を作り、水をかけて固めながら、トンネルを掘っている。

　なかなか骨の折れる作業だ。水が多いと崩れてしまうし、少ないと固まらない。何回も作って、壊しながらも慣れないと。

……そうか。今は納得のいく答えなんて出ない。いつ答えが出るかもわからない。

　それでも楽しかった時間はあった。雅彦に感謝しなきゃ。

〈ひとつだけお願い。雅彦に、ありがとうございましたって伝えて〉

　晴美から、了解のスタンプが送られてきた。

　この１週間シャワーで済ませてきたが、今夜は久しぶりに湯船に浸かろう。アロマキャンドルはベルガモットの香りにする。

【完】