第9話 君に決めた!
二人は朝のウォーキングをした後、一旦、帰宅してから、それぞれ登校した。
リンが登校すると、すでにクーは机に突っ伏して寝ていた。
クー、早!とリンは思う。
リンは自分な席に着くと、カレンとアンナが来て、朝のあいさつをし、女子トークが始まる。
そうしていると、アキト、隼人、太陽の三人も近づいてきて、話に参加。
朝から陽キャグループは盛り上がる。
リン達のグループは、クラスでも明るく、人付き合いがうまかったので、中心的存在になっていた。
教室の扉が開く。
ガラガラガラ
「おはよう。ホームルームやるぞ。席つけ。」
入ってきたのは、如月さつき。
担任の女の先生、35歳、胸はBカップ、シュッとした体型でパンツスタイルのスーツを着ていて、目付きが鋭い。
体育教師で、空手経験者、怒らせるとめちゃくちゃ怖い。
大人な女性美人である。
こう見えて、三児の母、旦那さんは如月先生とは真逆のほんわか天然な普通の人らしい。
「さて。今日は、体育祭に向けて、実行委員と各自の参加競技を決めてもらう。まず、実行委員だが、やりたい奴いるか?」
リンは、中学ではできなかった友達と学校行事を楽しんで思い出を作ると高校に入学する前から心に決めていた。
だから、リンは勢いよく手を上げる。
「さつきちゃん!私、やりたい!」
「さつきちゃん言うな。まず、冴木な。他にいるか?いないなら1人は決定。次は推薦したい奴いるか?」
リンが手を上げる。
「さつ、先生!相棒は私が決めたい!」
「ギリギリ先生と呼んだな。まぁ、良いだろう。皆、冴木が選んで良いか?OK。じゃ、冴木。誰にする。」
リンは右の方を見て、アキトの方を見る。
アキトは、
男子で一番仲良いな俺だからな。まぁ、やるか。
と思い、リンに笑いかける。
「先生!く、う、影山君でお願いします!」
「あ?影山か。おい影山!って朝から寝るな。夜寝れんぞ。」
クラスメイトが影山蔵人を見ると、机に突っ伏して寝ていた。
まさか、影山も体育祭の実行委員になるとは思っていないだろう。
というか、寝ててもはや聞いていないだろう。
アキトは笑顔のまま固まる。
リンは、アキトが勘違いしている事に気付かないまま、が影山のところに歩いて行き、肩に右手を置く。
「影山君!君に決めた!」
どっかで聞いた事あるが、それには触れないようにしよう。
影山が目を覚まし、リンを見て、首を傾げる。
「え、えっと。分かった。あれ?モンスター?誰と戦う?って学校!?」
「影山。起きてろよ。お前、冴木と体育祭の実行委員な。よろしく。」
「は、はぁ。って実行委員って何ですか?俺が?」
「へっへっへー。諦めたまえ。」
リンは満面の笑みで言った。
影山は寝起きで、目の前にいる女神に見とれてしまう。
可愛い過ぎる。
影山の顔は真っ赤だ。
「・・・分かりました。やります。」
影山はそうとしか言えなかった。
リンの後ろに見えるアキトが鋭い目付きで睨んでいる事に気付かない。
「さて。実行委員。前に出てあいさつしろ。その後、競技決めろ。」
リンとクーこと影山蔵人が前に出る。
「冴木です!頑張ります!」
「・・・影山です。」
「じゃぁ、体育祭の競技決めてくよ~!皆、好きなの選んでね。」
影山は、リンに言われて黒板に、
大縄跳び、、障害物競走、二人三脚、ムカデ競走、借り物競走、男女混合リレー
とそれぞれの人数を書く。
「じゃ、希望するところに手を上げてね。一つは絶対選んでね。」
こうして、出場する競技が決まっていく。
「さて、最後はリレーだけど、あれ?123456・・・二人足りない!?誰?誰が手上げてない?」
「冴木さんと俺だよ。」
影山がリンに突っ込みを入れる。
そう、リンは自分達の参加競技を忘れていたのだ。
「え!?私がリレー?足遅いのに?誰か変わって!」
教室はシーンとする。
「リン。諦めな。一緒に頑張ろ。」
カレンがリンに言う。
「はぁー、分かったよ。じゃ、皆、頑張ろう!」
リンは諦めたようで、リレーをやる事が決まった。
リレーのメンバーは、カレン、アンナ、リン、陸上部の山吹カエデ、アキト、隼人、太陽、クーの8人に決まる。
山吹カエデは、黒髪のポニーテール、胸はAカップのスラッとしたスタイルの元気な女子で、実は男子に人気がある陽キャだ。
「よし。決まったな。今日の放課後、実行委員の会議があるから、冴木と影山は出ろよ。体育祭はクラス対抗だ。こう言っちゃ何だが、どうせやるなら優勝狙うぞ。来週から練習始めるから各自覚悟しとけ。じゃ、ホームルーム終わり。」
如月先生はそう言うと教室を出ていく。
「先生もああ言ってるし、皆、頑張ろう!影山君もよろしく!」
リンがキラキラしながら、皆に声をかけ、それを見た影山は、
リン。眩しいなぁ。
と感じるのだった。
クラスで影が薄い、陰キャは、陽キャな私の彼氏 @kiti310161
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