害獣式"軽いノリで楽しめるアク弱めでクドくない文体のレビューエッセイ"『ゴエティア・ショック』編

バーチャル害獣“蠱毒成長中”

どうだ、アク弱めだしクドくねーし軽いノリで楽しめるだろオラァ!

 我らが親愛なる読者諸君っ、御機嫌ようっ。

 狂い散らかしたエッセイへようこそお出で下さったァ~

 まあなんだ、撮り溜めたアニメかドラマの消化序でにでもゆっくりしてってくれィ。


 おっとすまねェ、自己紹介がまだだったなァ~。

 私は、嘗て防衛相の飼い犬どものせいで地獄を見ちまった哀れなクソ野郎……つまり"バーチャル害獣"こと蠱毒成長中だぁ~。

 ま、このエッセイを読もうって時点で私が誰かについては既に存じ上げてると思うがネ……。


 さぁ~て、そんじゃ早速今回の本題に入らせて貰おうかァ。

 本作は私、蠱毒成長中が触れてきたいろ~んな作品を雑に紹介していくレビューエッセイだ。

 ジャンルや作品傾向は無作為だし、曖昧な記憶を補完しながらテキトーに書いてくから世辞にも質は高くねえかもしれねェ。


 なんなら書く作品に対する評価だってバラバラだ。絶賛することもありゃ、酷評することもあるだろう。

 それでも良けりゃ、まあ清水の舞台から飛び降りるつもりで(?)ぼちぼち楽しんでってくれ。

 とりあえずは最低限、佐々木直人粗品の持ちネタ『お前は偉くないので予選敗退です』ぐれーには面白くする予定だからよ。


 と、前置きが長引いちまったな。早速今回扱う作品を紹介しよう。

 このたびレビューさせて頂くのはァ~


 『素直に、面白い』のキャッチコピーでお馴染み

 株式会社マイクロマガジンはGCNOVELSがおくるライトノベルレーベル『GCN文庫』より、

 今年2024年6月に刊行されたばかり、

 まさかの成人向けWEB小説がベースになった、まさに今が旬な話題作にして問題作ッ!


 技術進歩と人心退歩で腐り切った救えない世界アポカリプス

 美少女探偵が駆け回るSFアクションサスペンス!


 著者・読図健人、作画・大熊猫介

 『ゴエティア・ショック 電脳探偵アリシアと墨絵の悪夢』 だッッッ!



~ あ ら す じ ィ ! ~



 時は未来! 多分西暦にして2100とか2300年代くらい? まぁよくわかんねぇ!

 なんやかんや色々あって地球上から"国家"は消え、

 世界はバカでっかい四つの企業に仕切られ、

 あと人間は身体に埋め込まれたコンピュータを操作して色々できたりするような、そんな時代!


 天賦の才と卓越した技術を駆使するとんでもハッカー"電脳魔導士ニューロマンシー"で、

 探偵として名を馳せる女学生の兼業"調査員アカイヌ"アリシア・アークライトの元にある依頼が舞い込んで来た!


 なんでも名の知れた売れっ子画家のオッサンが、

 一人娘共々行方不明になったから探して欲しいってェ話らしい!

 オッサンと娘が最後に目撃されたのは"ネオマイハマ芸術解放特区"だかいうクソやべえ人工島!

 となると、捜索依頼を受けたアリシアもそこへ立ち入らにゃならねーワケで……


 社会ゴミどもが詰め込まれた、

 文字通り掃き溜めなその島は控え目に言って魔境……てかぶっちゃけ地獄!

 そんな場所に、幾らハイスペだろうとうら若きティーンの美少女が立ち入って無事で済まされるワケもねぇ!


 ネオマイハマへ足を踏み入れたアリシアを待ち受けるのは、当然だけど悲劇と惨劇!

 細菌も寄り付かねえほど性根の腐り切ったゴミどもに尊厳破壊されるわ、

 なんやかんや頼らざるを得なかったクソ野郎にハメられるわ、

 挙句なんかもう色々ヤベェ化け物に襲われたり、

 その化け物さえ霞むようなド変態の狂人と殺し合ったりともう散々ったらねぇ!


 果たしてアリシアは、無事に依頼を完遂し、

 この世の地獄たるネオマイハマから生還できるのかッ!?

 てか、画家のオッサンと娘はまずそんな地獄に居て大丈夫なのかァ!?

 そもそも何故オッサンは娘を連れて失踪なんかしちまったのかァッ!?


 事件の裏側には、なんとも衝撃の真相が隠されていて……

 孤高のハイスペ美少女探偵の熾烈な戦いが、今始まるッッ!



~ 濃 く て 重 い し 、 分 厚 く て 鋭 い ッ ! ~


 本作を一言で言い表すならわりとこんな感じかなーと思う。

 作品全体が濃厚かつ重厚だし、鋭く尖りまくっててエグいトコはマジで容赦ねーからな。

 もっと言うと設定が結構複雑で、用語とか多いし現実の専門知識も数多引用されてっから、

 なんかそういう「頭良さそうな雰囲気の作品・作者」が苦手なヤツには向かねえだろう。


 具体的に言うと『コクリコ坂から』みてーな薄味の作品が好きだったり、

 もしくは『しかのこのこのここしたんたん』とかの頭にネグレリア飼ってても楽しめるシンプルな作品以外受け付けねーって体質のヤツにはオススメしねぇ。

 要は誰でも気安く手を出せるような、汎用性の高い作品では断じてねぇってことさ。


 ただ、相性さえ好けりゃ結構イイ感じにハマるのは間違いねえだろう。

 まあライトノベル、ひいては娯楽なんて大体そんなもんと言っちまえばそれまでだがね……。


 具体的にどんなヤツと相性がいいかっつったら、

 とにかく圧倒的な情報量に触れて深みのある世界観を楽しみてえ(例えば考察とか好きな)ヤツ、

 或いはそうじゃなくても、徹底したサイバーパンクだとかディストピアってのに惹かれるヤツ、

 敢えて脳に負荷をかけてそっから理解や解放(?)なんかへ至った時の独特の感覚が好きな……

 言うなれば『サウナでととのう』ような感覚を活字で味わいてぇヤツとかその辺だろう。


 若しくは~元々成人向けかつ倫理観のブッ壊れた世界を舞台にしてっから、

 要するにエロシーン的なヤツも無くはねぇ。

 詳しくは後述するが、まあとりあえずそういうのが好きなヤツも満足できンじゃねぇの?

 よく知らねーけどよ。


 あと余談だが本作は上下巻の二冊で構成されてる作品だ。

 一冊あたりが800円前後とやけにバカ高ぇが……その分読みごたえはあるし、

 数巻や十数巻も長々と展開を追わなくて済むのは現代人にとってメリットかもしれねーな。



~ も う 品 の 無 ぇ ホ ラ ー だ よ ! ~


 先に述べた通り本作は元々成人向けの作品だった。

 加えて舞台は倫理観のブッ壊れた社会のゴミ溜め、この世の地獄みてぇな人工島で、

 人口の男女比は驚異の20:1……


 となりゃ、どんな社会が形成されるかなんざ想像する迄もねぇよな?

 性根の腐り切った大多数の男どもが、ごく僅かな女や、

 時には自分より劣った立場の男をも資源として使い潰す……

 凡そまともな感性の持ち主にゃ到底耐えらンねぇ、熟成したクソ!


 加えて主人公のアリシアは身長150センチと小柄なのに

 バストが97もあるエグいトランジスタグラマーで、

 しかも仕事着はそんな彼女の抜群過ぎる体型を隠しもせず

 寧ろ際立たせるようなボディコンと来た。


 元々成人向けプラスゴミが支配する地獄+エロい女が主役……

 となったらもう『何かしらエグいベクトルにエロい作品』になるのは必然と言えるだろう。

 事実、アリシアはネオマイハマでこれでもかと尊厳を破壊されまくる羽目になる。

 無論、やられてばっかじゃなく、知恵や技能、機転なんかで切り抜けたりもするが……

 比率としちゃトントンてトコだろうな。

 そもそも切り抜ける場面にしても胸糞悪ィ不愉快なシーンに変わりはねーし。


 特にヤバかったのが上巻のオチと下巻の序盤かな。

 いやマジで、ご丁寧に挿絵までつけやがって……

 このご時世によくこれでガキも買えるフツーのラノベとして世に出せたモンだよ全く。


 ともかくそーいうワケだから……まあなんだ、

 エロに耐性のねーヤツとか、エロは救済とか幸福感とか愛情が要だと思ってるようなヤツには向かねえ。


 まあ私もどっちかっつーとそのタイプ……

 世に言う"純愛過激派"であって、何なら

 『NTRや小児性愛モノの創作物は法的に規制かけろ』とすら思ってるクチだ。

 とは言え私ァその一方、作品でも人間関係でも

 『ある程度妥協できちまう』っつーか、多少嫌な部分があっても容認・放置しちまえるような

 そんな『誇りも誉れもねえ中途半端なクズ』だから、

 本作のそういう部分も流しちまってるワケだがね……。


 多分、今後活性化するであろう本作の二次創作界隈でも

 そういうのが主流んなってくんじゃねーの?

 スタンダードなオタ豚どもの思考回路なんざ大体そーゆーモンだろうからよ。



~ ど い つ も こ い つ も 荒 く れ モ ン か よ ! ~


 既に何度も述べたが、本作は技術が進歩する一方で荒み腐った世界観が舞台の作品だ。

 だからだろう、登場人物も大抵ロクなのが居ねえ。

 敵サイドの連中は勿論のこと、主人公のアリシアとて

 冷静に読み解く迄も無くちょくちょく凶暴で容赦がねェからな。


 中でも取り分けヤバさが極まってんのが、

 アリシアのライバルポジで本作のラスボスも務める柳生兵衛ヤギュウヒョウエだ。

 こいつは『ヒューマンバグ大学』のバトル系漫画動画にでも出て来そうな顔のいい剣豪で、

 クールにスカしたノリで豪快かつ器用に仕事をこなす、まあ要するにデキる男で……。


 劇中でもトップクラスの実力を誇る凄腕にして機械を想定した剣術を極めた傑物、

 ってだけならわりとどこにでも居そうなキャラなんだが、

 その一方で本作の登場人物の例に漏れずその心にはとんでもねー闇っつーか狂気じみたモンを抱えてる狂人だ。

 一応、素の人格はそれなりにマトモっぽいんだが……だからこそおっかねェヤツって印象だな。


 その他にも、短いなりに色んな登場人物が出て来るんだが……

 そいつらは総じてどこかしら狂ってて、ある種の凶暴性っつーか、蛮族的なノリを抱えてる。

 戦闘者や悪党は勿論のこと、非力な文化人にしても例外なく、だ。


 そういう登場人物ばかりになっちまったのは、

 作者である読図健人先生曰く

 ご自身の『先祖代々受け継いで来られた気質』がモロに反映された結果のようで、

 後書きで語られてる先生の過去ってのがまた興味深くて読み応えがあるんだ。

 本編を読んだ後でその後書きを読むと実感すんじゃねーかなァ~


 『なるほど。そりゃこういう作品書くようなヤツだわ』ってよ。


 あと話は逸れるが、本作は本文中に紙媒体の小説って特性を活かした

 難解乍らも面白いちょっとしたギミックが搭載されている。

 まァ~文科省の怠慢もあって読解力の落ちた令和のラノベ読者層にしてみりゃ

 ひたすら煩わしいだけのモンかもしれねーがね……。



~ ま と め ェ ! ~


 なろう系の台頭、文科省の怠慢、

 ツイフェミやポリコレといった愚連隊の暴虐など

 度重なる不幸により衰退の一途を辿る令和のラノベ業界!


 誰もが無難に、丸く収めようと"統一規格"に沿った方向へ向かう中にあって、

 その風潮に異を唱えつつも決して読者を蔑ろにしない本作は結構希少価値の高い作品なんじゃねーかと思う。


 上下巻と短い中に色々謎や伏線を散りばめて濃厚濃密に仕上げた結果、

 聊か説明不足かつ書け足気味だったような気もするが、

 さりとてそれでも『コンパクトさ』と『読み応え』を両立させた手腕は天晴と言わざるを得ねェ!


 断じて万人に勧められるワケじゃねーが、刺さるヤツにはブッ刺さる!

 刺激的で尖った作品をご所望のヤツぁ手に取って損はねぇぞ!

 まあ、てめーと作品の根本的な相性に関しちゃ保証しかねるがな!


 それじゃあ諸君、サラバだっ!

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