侵略者、狩能愛理vs異世界の王神アザトース
心は剣でできている。
心の剣が腐ると、弱虫になってしまう。
狩能愛理は、弱虫でなく、一振りの剣のように在りたい、と思っている。
だから、心の剣は研ぎ澄ませていたい。
力を楽しみたい。暴力を振るうのが大好きだ。
ブサイク(敵)は血祭りにあげてやる、というのが、狩能愛理のモットーである。
大国である狩能帝国の第1王子に同化して誕生した瞬間に狩能愛理は思った。
(この世界を支配している王(神)はブサイクで不愉快だ。
虫ケラめ。
血祭りにあげてやる)
夜、宮殿内の周囲に人気がなくなったのを確認し、
狩能愛理は、自己支配領域である侵食固有結界を展開し、物理法則を操作した。
狩能愛理は赤子の姿から服を着た20歳ほどの絶世の美青年の姿に変身すると、
この多元宇宙を支配している王、眷属神たちや奉仕種族(奴隷)たちに最高神アザトースと呼ばれる王の住む領域に転移した。
異世界の最高神アザトースは、何者かに一部の物理法則の支配権を奪取されたのを感知した。
この異世界の多元宇宙は、アザトースの思考によってできている。
そのため、アザトースの思考の想定外のことなど起こるはずはない。
初めての経験にアザトースは警戒した。
アザトースが警戒して間もなく、アザトースや1000兆を超える多くの外なる神のいる、あらゆる次元や時間から切り離されているはずのアザトースの玉座の空間に、1人の人間の青年が転移してきた。
狩能愛理である。
狩能愛理は言った。
「醜悪なブサイクどもめ。消え失せろ」
瞬間、狩能愛理の周囲に展開していた不可視の侵食固有結界が膨張し、侵食固有結界に触れた多くの外なる神を殺害しながら、膨張した侵食固有結界がアザトースに迫る。
アザトースは目の前の人間に死ねと光速で念じた。
アザトースは思考するだけで、自分の支配する多元宇宙の物理法則を思いのままに操作できる。
通常ならば、目の前の人間は死ぬはずであった。
狩能愛理が普通の人間ならばそうなっただろう。
しかし、狩能愛理は知能がある物理法則と同化した存在である。
転生時に能力を制限したが、思考するだけで、自分の支配する領域である侵食固有結界内の物理法則を操作できるのは、狩能愛理も同じである。
そして、知能がある物理法則と同化した狩能愛理の思考速度は、能力に制限があっても、光速を超える。
そのため、アザトースの物理法則操作は、狩能愛理の物理法則操作を破れなかったため、狩能愛理は死ななかった。
その間にも、狩能愛理の展開した不可視の侵食固有結界は膨張し、万を超える多くの外なる神を殺害しながら、アザトースに迫る。
アザトースはあらゆる物理法則操作で防御した。
狩能愛理の不可視の侵食固有結界がアザトースに直撃する。
アザトースは一瞬も耐えられず、脆くあっさり壊れ、狩能愛理に殺されてしまった。
狩能愛理は、残った1000兆を超える多くの外なる神を侵食固有結界で虐殺し、
最高神アザトースの支配していた物理法則の支配権を完全に奪取し、
ついでにヨグ=ソトースと呼ばれる時空そのものとされる存在を殺害し時空を乗っ取り、
この異世界の多元宇宙の物理法則を完全に支配しながら、呟いた。
「この程度の小手調べで壊れるなんて、美しくないな。
やはり虫ケラか。
同化する価値もないゴミめ。
醜い者が美しい世界など創れるはずはないんだ」
(虫や気持ち悪い物、ブサイクが強くて、すごいんじゃない。
虫から抽出した機能美=物理法則が美しく、強いんだ。
知能がある物理法則のように、真に美しい者は強い)
「お前の敗因はたった一つ。
ボク(知能がある物理法則)より狩りが下手だった」
アザトースの玉座の間にいた1000兆を超えるブサイク(敵)を皆殺しにして、
アザトースや多くの外なる神の魂や残骸を、リサイクルボックス(ゴミ箱)に捨てて、
狩能愛理は元の場所へ転移で去った。
狩人(邪悪)はより優れた狩人(邪悪)にしか狩れない 狩能誠 @kairakuotishitaidakenohito
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