第5話 周のファッションショー(主催者:綾乃)
《
私のお兄ちゃん……と言っても単なる親戚のちょっとかっこいいお兄ちゃんだったけど。
ある時、女学院の理事長であるお母さんの姉……
目の前にいたのは……、可愛い女の子になっちゃったお兄ちゃんだった。
♡@♡@♡
[
(あんなにかっこよかったお兄ちゃんが、オドオドした小動物のように可愛い美少女になるなんて。)
(世の中分からないものね。)
下着ショップを出た私たちは少し休憩した後に、ユニだとかしまだとかそういう感じの淑女向けの洋服屋さんに向かった。
[
「綾乃……、本当に行くの?。」
私のパーカーの袖引っ張ってる周お兄ちゃんもといお姉ちゃん。
くっそ可愛いのがむかっ……つかない。
何この可愛い生き物。
[綾乃]
「えぇ、そうよ。せっかく可愛くなったから可愛い服着なきゃ。」
[周]
「えぇ……。」
うん、可愛い……。
最近それしか思ってない。
[周]
「それに……、綾乃の方がボーイッシュコーデで可愛いし。」
[綾乃]
「ウッ……。」
言葉が効く。
周おに……お姉ちゃんは昔から片手間でこういうこと言ってくるのよ。
……、多分私の補正も入ってると思うけど。
[周]
「それに……、そのガーターベルトは何?。」
[綾乃]
「あぁ……。」
今の私の服は、水色のTシャツに白いパーカー、紺のホットパンツに黒のガーターベルト付きニーハイソックス。
ホットパンツとニーハイの間にガーターベルトが見える構図。
[綾乃]
「もしかしてHに思っちゃったww。」
[周]
「うるさい。」
いつものように私は周お姉ちゃんをからかう。
こうすることの方が私は安心できる。
[周]
「綾乃……。」
「綾乃!。」
[綾乃]
「えっ!?、何?。」
[周]
「なんか暗い顔してたから……。」
[綾乃]
「うん、大丈夫。ありがとう、お姉ちゃん。」
何してるだろう私。
あんなにお兄ちゃんに距離感感じてたのに、お姉ちゃんになった途端にこんなマウント取るようになって……。
[綾乃]
(まあ、悩んでたって仕方ないか……。)
こうして私は周お姉ちゃんと一緒に服屋に行った。
♡@♡@♡
服屋に入ってから私は周お姉ちゃんを着せ替え人形にして、ファッションショーを楽しんでいた。
[周]
「綾乃、本当にこれ着るの?……。」
[綾乃]
「えぇ、そうよ。」
更衣室のカーテンの向こうで周お姉ちゃんが悶えている。
可愛い。
それに、こういうイベントは周お兄ちゃんがよく貸してくれたアニメやゲームやマンガでよく見たシチュエーション。
自分の英才教育で美少女に堕ちるが良いお兄ちゃん。
[周]
「うぅ……、着替えたよ。綾乃。」
[綾乃]
「そう。いいから早く見せて。」
[周]
「うぅ……、……、ええい、ママよ。」
どっかのロボットアニメの赤い自己中ラスボスが言いそうなことを言いながら、シャーッと更衣室のカーテンを周お姉ちゃんは開けた。
[綾乃]
「あら、似合うわよ。周お姉ちゃん。」
周お姉ちゃんが着たのは、水色のゴシックロリドレス。
ちょっと小柄なように似合うのを見て、私の見立ては正しかったと確信できる。
そして可愛い。
[綾乃]
「じゃあ次はこれね。」
[周]
「えぇ...( - ~ -)。」
そのジト目も可愛い。
それからもファッションショーは続き。
白い清楚なワンピース。
[綾乃]
「うん、可愛い。」
[周]
「恥ずかしい……。」
アニメで見るようなファンタジーなコルセットスカート中心の服
[綾乃]
「姫騎士の姿も似合うわね。」
[周]
「なんでこんな服もあるの〜( ߹꒳߹ )。」
シンプルな白いノースリーブのシャツにブラウンのロングスカート、水色のケープ。
[周]
「これ可愛くて良いかも(* 'ᵕ' )☆。」
[綾乃]
「じゃあこれにする?。」
[周]
「する(ㆁᴗㆁ✿)。」
それからも色々な組み合わせで、ファッションショーは続き、これからの私服の選定が決まった。
周お兄ちゃん……改めて、周お姉ちゃんの写真フォルダが埋まって、久しぶりに、一緒に、同じ時間を過ごせて良かった……。
本当に……。
幻影の乙女(♂︎→♀︎)は白百合の夢を見るのか? アイズカノン @iscanon
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