第4話 TS主人公の超えるべき壁(下着編)

もし女の子になったらやりたいことリストが僕の中で存在していた。

それはもし身体が性転換しようとしたら……というよくある妄想だった……。


だったはずだったのに……。


綾乃あやの

「さあ……、楽しいお着替えの時間だよ♡。周お兄ちゃん……いや、お姉ちゃん♡。」


僕は姪である綾乃に襲われそうです。

手をわしわしして迫ってきます。

普通に怖いです。



♡@♡@♡



脱がされた制服が宙を舞って、綾乃に揉みくちゃにされながら僕は外出用の私服に着替えさせられた。


あまね

「綾乃……、なんですかこれは。」


[綾乃]

「やっぱりお姉ちゃん可愛い〜。」


[周]

「うへぇ〜……。」


部屋に置いてあった縦長の置き鏡に映るのは、肩と首元が露出したオフショルダーのトップスにフリルが3層に重なったミニスカート。

それから黒いニーソックスから創り出される絶対領域の美少女……。


[周]

(可愛い娘……って僕かこれ。)


まだ女の子になってしまって2日目……。


まだ2日目なのか……。


[綾乃]

「やっぱり似合うわね。」


[周]

「うぅ……。」


[綾乃]

「じゃあ行こうか。買い物。」


[周]

「へ?。」


返事した時にはもう僕の身体は綾乃に引っ張られていた。



♡@♡@♡



ここ藤咲市には大きな商業施設ショッピングモールがある。

服や化粧品から飲食店、ゲームセンターやスポーツジムから映画館まで多種多様なテナントが存在しているため、主に藤咲女学院を始めとするそこそこお金を持ってる若者を中心としたターゲット設定のショッピングモールである。


まあ学園都市という特性もあったのだけどね。

それに全部室内にあるから、夏でもクーラーが効いてて良いという評価もあるのだけどね。


[綾乃]

「さあ着いたよ。周お姉ちゃん。」


[周]

「はい……。」


ドン!……っと正面に見えるのは淑女向け下着専門のテナント店。

入口に見えてるものだけで……。


[周]

「入りたくない……。」


[綾乃]

「え〜、これからずっとノーパンノーブラで過ごす気〜。」


[周]

「うぅ……。」


[綾乃]

「もう諦めなよ。お姉ちゃん。」


少しうなだれながら僕はただただ綾乃に腕を引かれて店内に入ることになった。



♡@♡@♡



純白の壁や金属色の棚に並ぶパンツ、ショーツ、ブラジャー……。

いやまあ、こんな身体になったから、こういうイベントあるのはわかってたけど……。


[綾乃]

「お姉ちゃん。こんなのどうかな?。」


綾乃が見せてきたのは、青い枠で大事な部分が白い布で覆われたブラとパンツのセット。

シンプルイズベスト。


[綾乃]

「じゃあ、早速着替えようか。」


[周]

「は、はい……。」


シャーっとカーテンを閉めて、更衣室で試し着することに。


[綾乃]

「着替え手伝おうか?。」


[周]

「だ、大丈夫……。」


正直言うと大丈夫じゃない。

そもそもこんなことに入る人生になると思ってなくて心の準備が……。


[周]

(本当に女の子の身体になっただな……。)


更衣室の縦鏡に写る自分の全裸姿。

そのことが余計に自覚させる。


[周]

(それにしても……。)


ブラか……。

まさかこれを自分が着る日がくるなんて。


[周]

(こういうのって……少し前かがみにしてやると良かっただっけ……。)


姿勢を少し前傾にして、腕を通して着てみる。

案外難しい……。

少し小ぶりの膨らみの小山をもって寄せてみる。


[周]

(あとは後ろのホックを……。)


前止めの方が良かったのだろうか……。

今更な感じもするけどね。


[綾乃]

「周お姉ちゃん。大丈夫?、着けれた?。」


更衣室のカーテンの向こうから綾乃の声が聞こえる。

胸に少々の違和感を感じながら、カーテンを開ける。


[周]

「これでいいのかな……。」


[綾乃]

「うむ……。」


綾乃がじっと僕のちんまい胸部を見つめてくる。

目線が身体に焼き付いてくる。


[周]

(うぅ……、これは恥ずかしい……。)


[綾乃]

「お姉ちゃん……。」


[周]

「うん……。」


[綾乃]

「ちょっとは私を頼ってよ。」


[周]

「はい……。」


こうして、綾乃とたまたま通りかかった店員の指導の元、胸に優しいブラの着付け方と必要な下着の購入をして、午前のショッピングは終わった。

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