第3話 幻影の少女
夕陽に焦がれた部屋に流れ込む不思議な雰囲気の少女が扉の枠に寄りかかってる。
[不思議な少女]
「よろしくね。転校生。」
優しくも不思議な声色の少女がそこにはいた。
腰まですらっと伸びる少し明るめ茶色のハーフアップ……いわゆるお嬢様結びのロングヘアに黄色い瞳。
藤咲女学院のジャンパースカートの制服が良く似合う1人の少女。
[
「えっと……、あなたは?。」
[不思議な少女]
「ごめんなさい。私は
[周]
「そう……ですか、よろしくお願いします。咲良先輩。」
挨拶の言葉と同時に礼をしてしばらく視界が咲良先輩から離れた後……。
頭を上げた後はスっと至近距離までやってきて、紅茶のだろうか……茶葉似たハーブのような不思議な匂いが僕の身体を抱いていく。
[咲良]
「ほんとに可愛い。」
[周]
「あのこれは……。」
[咲良]
「しばらくそのままね。」
[周]
「はい……。」
文字通り僕は咲良先輩に抱かれている。
不思議な雰囲気の美少女……。
掴みどころのない美少女……。
幻影のように揺らめく不思議な雰囲気。
それでもしっかり実態のある感覚。
少なくとも幽霊ではない。
[周]
(ん?……、なんか触り方が……。)
その違和感は確信に変わった。
この人も変態な人だ。
しかも同性に対するアレである……。
[咲良]
「あなたって本当にいい霊体してるのね。」
[周]
「ん……???。」
本当に何言ってるだこの人は……。
普通は良い身体だろ……。
良い霊体とは?。
[咲良]
「あぁ〜しゅきぃ……、虜になりそう。」
[周]
「あの咲良先輩?。」
背中をまさぐってくる咲良先輩。
手つきがいやらしい……。
いや、なにこれ……。
[咲良]
「もう我慢できない……。」
[周]
「えっ……。」
反応した時には既に口は塞がれていた。
咲良先輩の口によって……。
[周]
「んっ……あっ……んぁ……。」
[咲良]
「ん……ん……ん……。」
抵抗したい……。
したいはずなのに……。
何故か力が入らない。
それよりも心地よく、暖かい感覚。
母親に抱かれたような安心感。
そういう言語化しにくい本能を刺激してくる。
[周]
(それに力が抜けて……、もう……。)
そこから僕の視界は暗くなり、意識は深く深く沈んでいった……。
そこから先は意識が堕ちていた。
♡@♡@♡
[
「……兄ちゃん……。周……ちゃん……。」
声が聞こえる。
草原をかける僕とその背後を追いかける幼い綾乃。
かつての記憶。
でもどうして?。
[綾乃]
「周お兄ちゃん!。」
はっ!?と目が覚めた。
部屋に元々置いてあったベッドの上で意識が覚醒した。
[周]
「綾乃……。」
[綾乃]
「良かった。説教終わって行ってみたら、部屋の中で倒れていたからびっくりしたよ〜。」
[周]
「そう……、ありがとう。」
[綾乃]
「いいよー。女の子になったばかりで体調が良くなかっただけでしょ。」
[周]
「誰のせいだと……。」
[綾乃]
「(・ω<) テヘペロ。」
全くこの姪は……。
後でお母さんに連絡しよう……。
あっ……、ダメだな。
あの人も便乗してくるタイプだったから……。
身内特有の理不尽。
思考が落ち着た頃に、本来思うべき疑問がこっそり浮上してきた。
[周]
「綾乃。ここに僕以外に誰かいなかった?。」
[綾乃]
「え?、私が来た時には周お兄ちゃんがベッドに寝てたけど……。どうして?。」
[周]
「あっ……、なんでもない……。」
[綾乃]
「そう。」
あれは、この部屋が見せた幻影なのだろうか?。
あの先輩……、咲良先輩。
不思議な雰囲気をもってて霧のように掴みどころがない美少女だった……。
なんかおっぱいも大きかった。
ジャンスカに圧迫されてもなお、豊満なお胸はキスさせながらも感じていた。
[周]
(あの柔らかさとふくよかさは夢じゃなかったな……。)
[綾乃]
「お兄ちゃん……。」
[周]
「ん?。」
[綾乃]
「なんかいやらしいこと考えていなかった。」
[周]
「いや……、別に……。」
姪こと綾乃の目線が痛い……。
だけど以前のような……、犯罪予備軍を見るような死んだ目ではなく。
満更でもない様子なのがなんかこっちまで恥ずかしくなってくる。
[綾乃]
「まあ、いいや。それより明日、買い物に行こう。周お兄ちゃん。」
[周]
「えっ……、買い物?。」
[綾乃]
「せっかく女の子になっただからオシャレしないとね。」
[周]
「綾乃さん……?。」
[綾乃]
「ふふふ〜ん。」
いやらしい手つきが僕の身体を襲う。
綾乃の形状しがたい感情に付き合っていけるだろうか……。
少々不安になってきた……。
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