笑えない面接伝説!玄関開けたら、朝からバトル!オモシロ動画が、流されたなら…

冒険者たちのぽかぽか酒場

第1話 「どうせなら、面白い動画を流してくれる会社や学校に入りたい」と思いませんか?でも、面接がおかしなことになりそうな予感…

玄関開けたら、朝からバトル。

「いってきます!…って、外にやばそうな犬がいるんですけど!」

「ガルルルー!」

「さては、魔界犬?」

「バウッ!」

「とうっ!」

「ウガー!」

「うりゃあ!」

 進路に迷う学生たちに送った、とある学校や会社による SNSの動画だ。

「うちに入って、楽しいバトルをしてみませんか?」

 学校も会社も、雰囲気、熱意、やりがい、業務内容を上手く伝えようと必死らしい。

 猛アピールをしないと、人材が集まらないのだ。

SNSが、騒ぐ。

「フォロワー」に「インフルエンサー」を、拡散するためにも!

「いってきます!」

玄関開けたら、秒でバトル。

 面白そう。

 少子化で入学者の獲得に悩む学校は、SNK部とか作って、もっともっと、楽しい動画を流せば面白いのになぁ。

「どこの学校に、進学しようかなあ…」

「あそこが、良くね?」

「はい?」

「ほら…。動画配信で面白いのをやっている、あの学校だよ」

「あ、あの学校か」

「そうそ」

「たしかに、面白そうだ。入学してみたいな」

「だよなー。あの動画、マジウケる」

「尊い」

(尊いの使い方、合っているのか?)

 または、こんな感じで。

「就職先、どうしようか」

「そうだ」

「どうした?」

「あの会社、良くない?」

「あの動画を流していた、あの会社か!」

良いぞ。

もっとやれー!

 興味をもってもらえないと、入社や入学が断られてしまう時代。

 建設系の会社や専門学校も、必死。

「山の上とか、高そうな場所にある現場、痛そうな現場」が多いと知られれば、興味をもってもらえなくなるかもしれない。

 だから、 SNSでこうもアピール。

「我が社、我が校には、ボルダリング用の壁があります!挑戦してから、現場にいってみませんか?あなたが向いているのは、設計者?現場職人?どっち!自分自身のレベルも、はかれます!」

 良いね。

 ただ…。

 面接で、こうならないように祈る。

「わが社への就職を決意されたきっかけ、志望動機をお聞かせください」

「はい!志望動機は、SNSの動画配信です!」

「御社の流してらっしゃった動画配信に、ひかれました!」

「おお、そうですか」

「…ところで」

「はい。質問ですか?」

「御社は、普段、何をされている会社なのでしょう?」

こらこらー!

 

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