エピローグ

あの時から、もう6年。

時が過ぎるのは、早いようで遅い。

ずっと、ずっと君に逢いたかった。

私の作戦は、成功したよ。

だけどね。

私はやっぱり嫌われちゃって。

あそこじゃ、輝けなくて。

やっぱり、君に居場所を求めてしまった。

会いたいよ。


「ねぇ、もしかして……。」


懐かしい、声。

高くも低くもなくて、聴き心地が良い不思議な声。

6年前と変わらない、暖かい眼差し。

――あぁ、君だ。

君は、枯れてなかった。

咲き誇る、まさに大輪の花。

安堵と同時に、一つの思いが溢れる。

私は、君に抱きついた。

そして、口を開く。


「大好き、だよ。」

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大輪の花 @umiuta

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