下準備をしよう!
冒険者ギルドから出て宿を探す事にした。
しかし困ったな。生まれてこの方宿家探しなんてしたこと無いし、建物に看板なんて無いからどこが宿屋なのか分からんぞ。うーんどうしよ?
「お困りですか?」
悩んでいるとふと声をかけられた。声をかけて来たのは某ゲームのクラ○ドみたいな見た目をした男だった。ただしなんかチャラそうだ。
「この街に始めて来たので宿屋の場所が分からず困っているんです。」
そう答えると男は親切に宿屋の場所を教えてくれた。この世界の住人はみな優しいのかな?
「ところでお嬢さん。俺はBランク冒険者パーティーに所属していてな?結構有名なんだ。このあと暇だったら俺と遊ばないかい…etc」
どうやらナンパだったらしい。異世界にもナンパという文化があるんだなぁ。やはり皆善意だけで人と接するわけは無いらしい。
「すみません。この後予定があるので…宿の場所を教えて戴きありがとうございます。」
そう断り私は速やかにその場を離れた。我ながら良くできたナンパ回避だ。流れるような動作で反撃のすきを与えない完璧な対処。そもそもナンパをするようなチャライ男は私の好みではないので断固拒否だ!あっちいけ!
ナンパ男のおかげで無事に宿に着くことができた。その点は感謝しないとね。
「いらっしゃいませー。宿のご利用ですか?でしたら1泊銅貨二枚になります。」
どうやら同課に魔で1日宿泊できるらしい。意外と物価は安いのかな?他の値段が下がる分からないが。カウンターに銅貨二枚を支払い、案内された部屋へ向かう。
案内された部屋は4畳ほどで意外と広い。内装はベット一つと棚と机と鏡が置いてある。既視感のある内装だ。おそらくこの世界の一般的な内装なのだろう。この内装と広さなら1ヶ月泊まっても不便は無いだろう。
さて、宿も取れたし次は何をしようか?衣と食と住は揃っているし必要なのは収入源か。私は冒険者だから魔物の素材やクエストをこなすことで稼ぐ職業だ。つまり魔物と戦う道具が必要となるな。
次の予定は武器の調達。武器屋へ足を運ぶとしよう。そんなわけでやって来たのは冒険者ギルドの目の前にあった武器屋だ。入り口には剣やら斧が展示されてある。中へ入ると背格好は低いが顔と雰囲気は滅茶苦茶いかついおじさんがカウンターに座っていた。おそらくドワーフなのだろう。
店の中は武器工房に売り場をくっつけた感じで
工房のスペースと売り場を区切るようにカウンターが設置されている。売り場には剣やら斧が展示されていて、どれも刃がしっかりしていてよく切れそうだ。冒険者ギルドの目の前に有るだけあり、質のいい物ばかりなのだろう。
「....いらっしゃい。なんのようだい?」
ドワーフの店主が重々しい雰囲気で出迎えてくれた。職人気質で気に食わない奴には武器を売らない!みたいな雰囲気をかもし出している。怖いよ普通に。
「武器を買いに来ました。おすすめの武器とか
は有りますか?」
そう答えると、何やら探るように見られ、一つの大きめなナイフを取り出した。ナイフがおすすめ?少ししょぼくないか?こんなものでは自衛程度しかならないんじゃないか?そう不満そうな顔をしていると店主がこう教えてくれた
「嬢ちゃん。見たところ成りたての冒険者だろう。鍛えてないその細い腕を見りゃわかるぜ。きっと嬢ちゃんには剣やら斧なんかは重くて振れないだろうからこのショートソードが丁度いいんじゃないか?それにこいつはミスリル製だからあまり手入れをしなくとも切れ味が落ちねぇ。武器を始めて使う嬢ちゃんのような奴にはピッタリの武器だと思うがな?」
そう説明を受けると確かにその通りだと思った。いくら地球にいた頃よりは強いと言っても剣などは重いし、満足に扱えないかもしれない。ちゃんと考えてのことがあったのに失礼な事をしてしまったかもしれないな。
「確かにその通りかもしれません。ごめんなさい。」
そう謝るとニッと笑い何やら革の胸当てを取り出した。
「素直に認めて謝るとは嬢ちゃん。しっかりしてるな!これはオマケだ。こいつ含めて銀貨一枚だ。」
どうやらおまけを付けてくれるらしい。最初は怖い人かと思ったがいい人みたいだ。人は見た目で判断してはいけないね。そう考えながら私は銀貨一枚を支払った。
「武器が壊れたり、新しい装備が必要になったらまたおいで」
店主の気さくな対応に思わず笑顔になりつつ店を後にした。やっぱり人と関わるのはいい事だ。
手に入れた武器はミスリル製と言ってたっけ?どんな性能なのだろう。
『一般的なミスリルナイフ
攻撃力23 耐久100 魔力伝達度C
ミスリル製のナイフ。鉄製より錆びにくく、魔力が刀身に通りやすい。魔力を通すことで耐久性と攻撃力が高まる』
どうやら魔力を通すことで強くなるらしい。私はステータスの中で魔力は一番高いし相性抜群かもしれないな。おまけでついてきた防具はどんな物だろう?
『一般的な革のチェストアーマー
防御力20 耐久50
魔物の革で作られたチェストアーマー。最低限自分を守るほどの防御力はある。』
おまけの装備らしくそこまで良いものではないが無いよりはマシだろう。
無事に武器も手に入ったし、おまけに防具も入手した。それにそろそろ自分の力量も試したい。これは魔物狩りができる準備があらかた終わったんじゃないか?そうと決まれば魔物狩りだ!
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転生したら吸血鬼だったので異世界生活を楽しみます! @erenananndayo
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