3.警察と鑑識

救急隊員の山瀬隆文と木戸義正は公子と和雄に伝えた。


「病院以外つまり自宅での突然死は死因が特定されないケースは警察に通報しなければいけないということになっています。これは自然死か殺人かと判断ができないために致し方なく取られる措置です。無論、警察が事件性が無いと判断した場合には医師からの死亡診断書を受け取って速やかに葬儀に移れます。では、私達、救急隊員では御遺体の対処には携われないので110に連絡させていただきたいと思います」


そう言って山瀬はスマフォを取り出し110に通報した。


15分後。


警察署から木幡一二三巡査部長と勝瀬良一巡査がやって来た


勝瀬はまだ新米の駆け出しだが木幡は海千山千の百戦錬磨だ。


木幡は多くの場数を踏んでいる。


木幡は公雄の部屋に入るなりすぐさまその異臭に気付いた。


それはシアン化水素の臭いだった。


青酸カリを飲み込むと胃酸と反応し毒性の強い青酸ガス、シアン化水素が発生する。


これが俗に言う青酸カリを盛られた際のアーモンド臭という奴だ。


2時間くらいのサスペンスドラマで刑事が一端を気取ってよく言うアーモンド臭と言う奴である。


木幡は真っ先にナイトテーブルに置かれていたダイエットコークのペットボトルを疑った。


木幡が新米の山瀬に言う。


「山瀬、すぐに鑑識を手配しろ。この仏さんは臭い。プンプン臭う。」


傍位にいた公子と和雄はチビでデブだった公雄の腋臭の臭いを示唆しているのだろうと思っていた。


15分後。


乾式の草笛光男がよくテレビの2時間サスペンスで見る鑑識道具一式を持って現れた


。見てくれの風貌は天地茂ミーツ沖雅也といった風貌である。


ラテックスの手袋を装着するとポンポンに粉を付け指紋の採取をする。


ダイエットコークのペットボトルをジップロックの袋に入れると鞄に仕舞った。


木幡が公子と和雄のアリバイや公雄の遺体を見つけた際の一部始終を警察手帳にメモっている。


一通りの鑑識を終えると遺体を検死にかけるためストレッチャーが運び込まれ遺公雄の遺体は運ばれて行った

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

宇宙の果から盆ジュール Jack Torrance @John-D

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ