令歴645年6月12日 LINEグループ『大化』


◀ 『大化』(メンバー数:5)



       【6/12(水)】



藤原「皆さん、おはようございます。」6:45


中大「いやー、いよいよやな。」6:58


藤原「いよいよですね。」7:01


中大「俺、めっちゃワクワクして昨日あんま寝れへんかったわ。7時前に目ェ覚めたん久々や」7:02


藤原「私も、武者震いというか、気分が高揚して寝付けませんでした。」7:03


佐伯「僕は正直、三日前くらいからロクに寝れてません」7:19


葛城「上に同じく」7:28


佐伯「僕さっき、朝ごはんにお茶漬け食べたんですけど、緊張のあまりそのまま吐きました」7:30


葛城「同じく。僕も最後の晩餐が先ほどゲロになりました」7:48


山田「では佐伯さんと葛城さん、のちほど合図したら例の貢物の保管場所までカモンです」9:21


中大「おっ、そういやお前らは午前中からもう準備か」9:33


藤原「儀式は13時からなので、皇子と私は12時30分頃に現地着予定です。」9:36


葛城「ああ神様仏様」9:58


佐伯「今また吐きました」10:23


中大「儀式中は死んでも吐くんちゃうぞ。飲み込め」10:33


佐伯「無理ですよお……」10:33


山田「佐伯さんと葛城さん、今です。誰にも見つからないように来てくだち」11:04


佐伯「ちょっと僕、もっぺんだけトイレ寄ってから行きますわ」11:05


山田「なるはやでおながいしまつ」11:06


藤原「山田殿、そういえば今日は何故か顔文字を使っておられませんね。」11:08


中大「何や、山田やけにテンション低いと思ったら、緊張しとるんかいな。お前は上表文読むだけやのに」11:08


山田「きききききききききき緊張なんてしてないれふ」11:11


葛城「葛城、ただいま無事木箱の中へもぐりこみました……」11:13


佐伯「佐伯もおなじく。さよなら我が人生。まさに棺桶や……」11:14


山田「じゅんびれきました」11:14


中大「ほな、今日は気合い入れていこか!」11:16


藤原「皆様の健闘をお祈りいたします。毘沙門天のご加護があらんことを。」11:17


山田「大極殿へみつぎものの搬入おわりました」12:02


藤原「藤原、大極殿到着しました。置かれている貢物は入口から大王のおわす高御座に向かって、左から順に剣、弓、鏡、陶磁器、布、書物のようです。」12:27


藤原「@山田 山田殿、二人が入っている箱はどれですか?」12:29


山田「ふたりは布の入ったでっかい箱の中にかくれています。ひだりのやつが佐伯さん、みぎのやつが葛城さんです。おーばー」12:34


藤原「了解しました。」12:34


佐伯「せまいです」12:38


葛城「くらいです」12:38


藤原「暫く我慢しろ。」12:39


中大「俺も大極殿着いたでー。入鹿のアホはまだ来とらへんな」12:40


藤原「@葛城 @佐伯 こら、そこの二人、あんまりガタガタ震えるな。よく見ると箱が若干揺れている。」12:41


佐伯「そんなこといわれても」12:41


葛城「心臓が爆発寸前です」12:41


藤原「只今、山田殿が大極殿に入って来ました」12:42


中大「@山田 おう、お前もめっちゃ震えとるやんけ」12:42


藤原「@山田 あまり様子がおかしいと、入鹿に勘付かれます。平静を装って下さい。」12:43


中大「@山田 おい、聞いとんのかい山田」12:45


藤原「LINEの既読は付いているので、一応読んではいるのでしょう。」12:45


中大「内容が頭に入ってるかは怪しいけどな」12:46


藤原「入鹿が今、入って来ました。古人大兄皇子も一緒です。」12:47


中大「古人大兄の野郎も来とるんかい。しかし相変わらずムカつく顔やのう。ついでにアイツも殺ってまうか?」12:48


藤原「いけません。あくまで目標は入鹿の首のみ。」12:48


中大「しゃーない。ほな今日は我慢したるわ」12:48


藤原「では中大兄皇子、手筈通り、衛門府の兵に板蓋宮の通門を全て閉めるよう伝えてください。理由は警備上の都合など、適当で構いません。」12:49


中大「おう、忘れとったわ」12:49


中大「いま伝えたで」12:51


藤原「ありがとうございます。」12:51


藤原「大王が出御なされました。」12:54


中大「よっしゃあ、ついに始まるで!」12:54


藤原「@葛城 @佐伯 二人とも、準備は良いな?」12:55


佐伯「い」12:55


葛城「う」12:55


中大「おう、シャキッとせえや根性無し共。金玉ついとんねやろ?」12:56


藤原「いま、三国の調の儀式が始まりました。」13:00


藤原「@葛城 @佐伯 おい。震えるな。入鹿に感付かれる。」13:07


佐伯「ふkぁ」13:07


葛城「でaゅsve」13:07


中大「ホンマに肝玉の小さい奴らやのう!」13:08


藤原「この次はいよいよ、山田殿の上表文読み上げですね。」13:15


藤原「@山田 山田殿?」13:17


中大「あいつも相当ヤバそうやな」13:17


藤原「上表文の読み上げが始まりました。」13:21


藤原「@葛城 @佐伯 二人共、今だ。」13:21


藤原「@葛城 @佐伯 今だ、出ろ!」13:22


中大「お前ら何しとんねん! 早よ行かんかい!」13:22


佐伯「@葛城 せーのでいこ」13:23


葛城「@佐伯 わかった」13:23


佐伯「せーの!」13:23


藤原「どうした。」13:25


佐伯「@葛城 お前、せーので行く言うたやんけ!」13:25


葛城「@佐伯 そっちこそ行けよ!」13:25


中大「アホ! お前ら今更なに内輪揉めしとんねん!」13:25


藤原「ここでしくじれば、我々全員打ち首だぞ。」13:25


佐伯「だってだって」13:26


葛城「足がすくんでうごかないんです」13:26


中大「ヤバい! 山田のほうもそろそろ限界やぞ! 顔がナスビみたいな色になって手も震えまくっとる!」13:27


中大「そんでもってこっちを頻繁にチラチラ見とる!」13:27


藤原「おい 早くしろ!」13:27


葛城「😭」13:27


佐伯「🥺」13:27


中大「もうええわ腑抜けども! 見とけ! 俺がやったらあ!」13:28


藤原「皇子、武器もないのに、どうやって!」13:28


中大「壇上に、高句麗が持ってきた貢物の剣があるやろ! あれ、ぶん取って使う!」13:28


藤原「そうか、その手があったか。」13:28


中大「いてまうどおらああああああ!」13:29


藤原「皇子。私も続きます!」13:29


佐伯「ぼぼ僕も出ままああああああ!」13:30


葛城「俺も行きままああああああ!」13:30




【グループ音声通話が開始されました。】



【自動文字起こし機能をオンにします。】




中大 ≪畜生! しくじったああああああ!≫


佐伯 ≪入鹿の奴、防刃ベスト着てやがりました!≫


葛城 ≪あのゴキブリ野郎おおおおお!≫


中大 ≪入鹿は大極殿の裏に逃げたぞ! 俺は右手から回る! お前らは左から回れ! 挟み撃ちや!≫


佐伯 ≪入鹿、いません! 消えました!≫


中大 ≪そんな訳ないやろ! 門は全部閉めてあんねん! 逃げられるわけない!≫


葛城 ≪あっ! いました! 血だらけになりながら、大極殿裏の塀をよじ登ろうとしてます!≫


佐伯 ≪あかん! もうだいぶ上まで登っとる!≫


中大 ≪石や! そっから石投げろ!≫


葛城 ≪駄目です、当たりません!!≫


中大 ≪何としてでもぶっ殺せ! 奴が板蓋宮の外にまで逃げたら一巻の終わりや!≫


佐伯 ≪当たらねえええええええ!≫


葛城 ≪もう駄目だああああ!!!!≫


中大 ≪おい、鎌足! なんとかせえ! 聞こえとるんか!≫


藤原 ≪聞こえています、皇子。≫


中大 ≪お前、今どこにおんねん!≫


藤原 ≪新羅の貢物の弓を持って、大極殿の屋根の上にいます。≫


葛城 ≪屋根の上!?≫


佐伯 ≪なんでそんなとこに!≫


藤原 ≪皇子。大学時代、私と皇子は同じ、南淵請安先生の政治学ゼミのルームメイトでしたよね。≫


中大 ≪はあ!? 一体お前、いきなり何の話しとんねん! 今の状況わかっとんのか!≫


藤原 ≪ええ、わかっています。ここから入鹿の頭がちょうど、見えていますよ。≫


佐伯 ≪アカン、入鹿がもうすぐ塀を乗り越える!!≫


藤原 ≪皇子はいつも欠点ギリギリで、試験前になるとよく、私のノートを借りに来ていましたね。≫


葛城 ≪もう俺たちおしまいだあああああああ!!≫


藤原 ≪あの頃が懐かしいですねえ。……皇子、覚えていますか。≫


中大 ≪な、何を……≫


藤原 ≪皇子、こう見えて私はねえ、大学時代、≫


藤原 ≪弓道部の、主将だったんですよ。≫






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【グループ通話が終了しました】



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