あきらめる

「暴対の松山です」

縦開きの警察手帳を示してきた男は言葉を続ける。

「……警察学校長殿と同じ名前ですな」

何もかもを分かっているんだぞと言う目と、その顔を見て、その声を聴いて。

力が抜けふらふらと体が崩れ落ちた。

先刻見上げた時に光が溢れているような、輝いていたような夜が。

急にのしかかる様な暗さと重さで光を塗りつぶした。

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外から開けやすくて中から開け難いものなーんだ? 味付きゾンビ @aki777343

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