当事者にとっては「そういうもん」。しかし傍から見ると……

姉である「私」と弟。そしてその両親が住んでいた旧家。
この家は、夜になると何かと騒がしくなる。

それは、自然現象と人為的な現象の両方であり、
どちらも幼い姉弟にはどうしようもないものだったので
「そういうもん」だと割り切って生活するしかなかった。

しかし、それらの現象を生み出したのは本当に、
「そういうもん」で片づけられるものだったのだろうか。

現象の背景に、旧家の特殊な要素が絡んでいるのだとしたら……



複数のエピソードが登場する作品ですが、
一見別のものごとに感じられるそれらが全て相関性があるのだとすると、
家という「場」のなみなみならぬ力が感じられます。

家を舞台にしたホラー作品は数多く存在しますが、
当事者である「私」がそれらの現象をあまり怖いと思っていないこと。
しかし傍から見ると相関性を感じずにはおれないこと。
この2点の要素から、
「怖そうで怖くない、少し怖い」という状況を生み出していると感じました。