致死率ほぼ100%
涼月
発症したら終わり
致死率ほぼ100%と言う病は、医療の進んだ現在においても存在します。
その一つが狂犬病です。
可愛いペットが鳴きながらワクチン注射されている様子を見ていると胸が痛むと思いますが、これはみんなの命を守る大切な接種なのです。
と言うわけで、浅はかな私が肝を冷やした体験をお話します。
コロナ前の話です。
マレーシアのランカウイ島へ行きました。リゾート地として多くの豪華なホテルが並んでいますが、ここはジオパークでもあって、古代の地層と自然が豊かなところでもあります。
そこで、私達はキリム・ジオフォレスト・パークへ行き、マングローブ林やコウモリ洞窟の見学ツアーに参加しました。
その時、私はサンダルで参加していて、コウモリ洞窟の手すりに踵をぶつけて擦りむいてしまいました。でも、その時は軽く水で流して絆創膏を貼っただけ。次の日のシュノーケリングでしみそうで嫌だなぁくらいに軽く考えていました。
ところが半年後、ぶつけた踵の傷はとうに治っているのに、触るとピリピリすることに気づきました。
そして、思い出したのです!
コウモリの唾液は狂犬病ウイルスを媒介することを……
傷口から入って、ゆっくりと神経を犯していく、見えない狂気。
まさに、スーッと血の気が引きました。狂犬病の潜伏期間は長い時もあって、今まで発症しなかったから大丈夫とは限らないのです。
大慌てで海外旅行の予防接種に対応している病院へ行って先生に確認しました。
先生の答えも、99%大丈夫だと思うけれど、最後の1%は確実とは言えないとのこと。対策としては狂犬病の曝露後接種をすることでした。
狂犬病のワクチンは暴露前でも3回接種が推奨されているのですが、暴露後の場合は当日、3日後、7日後、2週間後、4週間後、90日後と倍の6回接種となります。
当然、すがる思いで受けました。
予想通り、体的にきつかったですが、命には代えられませんので。
幸い、無事接種を終えることができました。今まで発症せずに済んだのは、ワクチン接種のおかげか、もともとウイルスはもらわずに済んでいたのか。
いずれにしろ、生きながらえておりますので、感謝しかありません。
日本は狂犬病撲滅国となっていますが、世界的に見ればほとんどの国で、未だ狂犬病の危険は残っています。
皆さんも海外旅行に行かれる時は気を付けてください。
野良犬には近づかない。
怪我をしているところはカバーをしておく。それだけでも、危険はグッと減ると思います。
発症したら終わりって事態は、本当に恐怖ですからね。二度と味わいたくないです。
おわり
致死率ほぼ100% 涼月 @piyotama
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