終章
それから35年の歳月が流れた。
今、私には妻も子も、孫までもがいる。
そして今、私は作家として、1冊の本を書いているところである。辛い時やアイデアが浮かばない時、いつもあの頃の自分をしみじみと思い出しながら、ペンを走らせている。
どんなときも、あの素直だった親友を忘れはしない。自分の思いを貫き通して生涯を終えた親友。
いや、今はきっと、一羽の鳥として、私と同じ思いをもって暮らしているのだろう。
人生にはいろいろなことが起きる。
良いと思われることも、悪いと思われることも、様々な出来事が起きる。その中で、何を選択して、どう生きていくのか。それはすべて自分次第。
そして、人は自由だ。
お前は何を選び、どう生きていくんだ?と、あの日見た澄んだ瞳に、いつも問われている気がする。
自分の思いにまっすぐに生き、選んでいった友人のことを思い出すたびに、そんなことを思う。
「おとうさーん、ご飯よ。」
階下から、夕飯の時刻を知らせて私を呼ぶ家族の声が聞こえた。
もうそんな時間か・・・。
人生は長い。けれど過ぎてしまえば、あっという間だ。
さあ、皆さんも、人生を大切に生きてみませんか。
では。
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『鳥になった少年』
その本は大ヒットし、作者の江川善行さんは、その他にもたくさんの本を残し、人々に感動を与えたということです。
― 終 ―
鳥になった少年 まよみ遊 @amanozaku
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