衝撃的なSFだ。キャッチコピーを見て希望に胸を膨らませたあなたは、読み進めるにつれて生命の進化というものの無常さに愕然とするだろう。いや、進化してきたというのは我々の留飲を下げるための勝手な幻想で、その実、制御すべくもない環境の猛威に屈服させられ、否応なく適応させられてきたに過ぎないのだ。それでも我々は星々に希望を託す、たとえそれが遺伝子の一塩基にまで薄まろうとも。
苦しい思いにとらわれるかもしれないが、是非最後まで読んで欲しい。そうすればきっとあなたも、人という生命の儚さと愛おしさを感じることができるはず。