第8話 ある日

月子の部屋は、柔らかなライトが灯り、穏やかな午後の光がカーテン越しに差し込んでいる。部屋の中はシンプルでありながらも、数冊の本や月子が描いた絵が壁に飾られ、落ち着いた雰囲気を醸し出していた。


ソファに座って、月子と彩はゆったりとしたひとときを過ごしていた。月子はリラックスした表情で、少し照れながらも幸せそうに微笑んでいる。彩もまた、心からの笑顔を浮かべて、彼女と共に過ごすこの瞬間を楽しんでいる。


「楽しかったね、映画」と、月子が言うと、彩は頷いた。


「うん、すごく楽しかった。久しぶりに笑ってた、わたし」と彩は答える。


二人は今日のデートのことを振り返りながら、いろんな話題を交わしていった。月子は、自分の絵を展示しているカフェで過ごした時間や、美術館での展覧会を楽しんだことを話し、彩はその日の出来事や、日常の小さな出来事を愛した。「やっぱり、月子の絵を見ると、何か心が落ち着くんだよね」と彩が言うと、月子は照れくさそうに笑いながら、「そう言ってもらえると、本当に嬉しいよ。彩も今日は一緒にいてくれて、ありがとう」と応える。


二人の会話は、過去の思い出から現在の幸せな時間まで、自然と流れるように続いていった。彼女たちは、お互いの成長や変化を感じながらも、昔と変わらぬ深い絆で結ばれていることを再確認した。


月子はふと、自分が描いた新しい絵を彩に見せることを提案し、彩は興味津々でそれを見に行く。二人はその後、共に絵を鑑賞しながら、楽しく語り合った。


時間が経つにつれ、外の光が少しずつ色づいてきて、夕暮れの風が部屋に吹き込んでくる。月子と彩は、次第に日が暮れていくのを見守っていた。沈黙が流れた後、美月はそっと立ち上がり、彩花の前に座っていた。彼女の目には、ほんのり涙が浮かんでいた。月子は静かに深呼吸し、手を伸ばして彩を優しく抱きしめた。


「彩、私たち、同じ大学に行こう」と、月子は少し震える声で言った。「これからもずっとこうしていられるといいなって、心から思ってるの。」


彩は驚きながらも、温かい抱擁の中でその言葉を聞いた。彼女は月子の肩に顔を埋めながら、涙をこぼす月子の背中をそっと撫でた。少しの間、静かな涙の流れが二人を包み込み、その感情の深さを共有した。


「うん、私もそうしたい」と彩は優しく応えた。「月子と一緒に、新しい未来を作っていけたら、どんなに幸せだろうって思ってる。」


二人は、抱きしめ合いながら未来の夢を語り、互いの愛を確かめ合うその瞬間に、月子の涙は、ただの感傷ではなく、二人の新しい旅立ちに対する希望と決意を象徴していた。


夕暮れの光がさらに深まる中、月子と彩は、これからの未来に向けての期待と共に、静かにその時を楽しんだ。二人の心は、これからもずっと共に歩んでいくことを誓う、心温まる瞬間となった。







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制服と手紙と未来 紙の妖精さん @paperfairy

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