第7話 二人の未来

放課後の教室は、静かな光に包まれていた。月子と彩は並んて椅子に座りながら、穏やかな時間を過ごしていた。夕陽が二人の顔を柔らかく照らし、温かい光が彼女たちの周りを包み込んでいる。


「月子、これ、見て。」彩はバッグから取り出した手作りのお菓子を月子に差し出した。「最近作ったんだけど、どうかな?」


月子は興味津々でお菓子を受け取り、一口食べてみた。「わあ、美味しい!本当に彩はすごいね、こんなに上手に作れるなんて。」


彩は照れくさそうに笑いながら、「ありがとう。実は、あなたに食べてもらいたくて、頑張って作ったんだ。月子が喜んでくれるといいなって思って。」


二人は自然と話が弾み、彩が最近読んだ本や、月子が興味を持っていることについて、互いに興味深く聞き合った。会話の中で、彼女たちの距離がどんどん近くなっていくのを感じる。


「月子がさっき言ってた話、すごく面白かったよ。」彩は目を輝かせながら言った。「私ももっと知りたいな。今度、一緒に図書館に行ってみる?」


月子は笑顔で頷いた。「うん、いいね!彩と一緒にいると、なんだかすごく楽しい。」

教室の窓から心地よい風が髪を揺らし、彼女たちの関係はさらに深まっていく。言葉に出さなくても、互いの存在がどれほど大切か、自然と理解できるようになっていた。


「月子とずっといたい。」彩は少し恥ずかしそうに言った。


月子は優しく微笑み、彩の手をそっと握った。「もちろん。」


その瞬間、二人の間に流れる温かい感情が、まるで夕陽の光のように、静かに心に染み込んでいった。月子と彩は、これからの未来に向けて、一緒に歩んでいくことを心に決めた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る