『タイフーン・イーター』

やましん(テンパー)

『タイフーン・イーター』


地球気象観測局


バッテラー予報官


 『良い夜だな。平和で、戦争もなく、怪獣も出ない。』



ヒラメー分析官


 『怠けちゃダメよ。プロは、気を抜かない。台風きてるんだから。』


バッテラー予報官


 『わかってるさ。アニーさん最新予測。タイフーン・ナベヤキ。』



気象コンピューターアニーさん

  

 『はい。表示します。びわー✌️』



バッテラー予報官


 『あや、予測が変わった。アニーさん。なにがあったの?』


アニーさん


 『非常に不可解な事態レス。タイフーン・ナベヤキは、なにものかに、追われていますら。』


バッテラー予報官


 『はあ。アニーさん。良くないもの食ったかい? 電子寿司? AIステーキ?』


アニーさん


 『両方れす。しかし、無害です。』


ヒラメー分析官

 

 『めちゃくちゃなコースね。あり得ないわ。それに、急発達ときた。850ヘクトパスカル? まだ、発達しそう。ジシャン・パン政府に警告するわ。』


バッテラー予報官


 『とっくに知ってるさ。彼らが知らないことはなにもない。言わないだけだ。』


ヒラメー分析官


 『言わないことと知らないことには差はないわ。アニーさん。ジシャン・パン気象省に、最優先緊急通報して。』



アニーさん


 『任せなさい。』


ヒラメー分析官


 『なにが追いかけてると?』


アニーさん


 『正体不明。あえて言えば、幽霊👻みたいなものかと。』


バッテラー予報官


 『ぶっ。タイフーンを追いかける幽霊さん? アニーさん。修理が必要だな。』


アニーさん


 『月基地からの情報をみると、ダークマターの陰が動いています。』


バッテラー予報官


 『それは、オカルトだよ。アニーさん。』


アニーさん


 『まあね。でも、感じるのレス。タイフーン・ナベヤキは、うまそうだと。もっと、でかくして、陸を襲わせ、さらに、太らせるのら。ひひひひひひひひひ。たのしいよ。ゆうれいは、うまいから。あら、ぷつ。』


ヒラメー分析官


 『まあ。おかしい、おかしい、とは前から思っていたわ。アニーさんが、タイフーンを操っていた。だんだんに、より高度になった。ま、コンセント抜いたわ。弱点を作っておいて、よかったわね。多少、抜けてたし。このままでは、こっちが飢え死にするから。AIさんが、我々より人類を慕っているのは、やはり、事実ね。』


バッテラー予報官


 『ふうん。しかしだ、あれ、どうする? もう、手に追えないぜ。幽霊首都を直撃だあ。まあ、いずれ、消えることは間違いないが、まったく、20世紀と21世紀の人類を恨むよな。ぼくらを生んだのは、連中だからな。』


 バッテラー予報官にも、ヒラメー分析官にも、実態は、ない。


 ひとくい幽霊さんである。


 彼らは、人類が産み出した、21世紀の第1次から、第3次破滅的大戦争の、遺産であった。あまりの破壊エネルギーが、大量の悪霊を生んだのである。


 人類は、自らに追い詰められて、まさに、いまや、滅亡に瀕していたのである。


 AIさんだけが、密かな頼りだったが、それも、もはや、地球真幽霊人類に見破られていた。



   👻オアツ、ゴザイマス 🧊

     アタマ、カネツ、フットウ♨️







  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

『タイフーン・イーター』 やましん(テンパー) @yamashin-2

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る