ご照覧あれ、あきむしという名の娘の来し方と焦点揺らがぬ意志の行く末を。


薬屋りんさんシリーズ、今回は行く手に不思議な女性が現れます。
彼女の名前は、あきむし。

りんさんと組み合わせると、なんだか響き交わすようなイメージが生まれて素敵ね、なんて読み進めると彼女とりんさんと丁々発止のやり取りが楽しめます。

いつもは本人には自覚がなくても煙に巻かれるような、なんとも掴み難いイメージのりんさんですが、今回は彼女と対等な感じがして少し身近に感じられます。

あきむしさんが強くて見事なせいです。
覚悟して、行く末を確り見定めて、しかも自分を助けた人への恩義を忘れない。
あまりにも見事で、神々も見そなわしませと訴えたくなるくらいなのです。

なんというか、彼女の人生に枯れゆくことを含んだ紅葉の鮮烈さを感じて圧倒されたなあ。

もうこのシリーズは物語の豊醸さを感じられて本当に大好きです!

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