これはGGですわね。
レフトから見ていましたが、打球と芳川君のミットが重なったように見えましたんで、よし捕った!と思ったら、ラインギリギリに打球が弾んだ。
ジャガースファンの後押しもあり、平君はあっという間に3塁に到達。
ノーアウト1、3塁という局面になってしまった。
「3番、ライト、グッドウィン」
現れたのは怖い怖い新加入も助っ人マン。
打率3割7分5厘、13本塁打という神様状態。2年前にメジャーの舞台でお目見えした時は、打率は2割満たずで苦しんでいらっしゃったのですが。
日本の野球が合うのか、大阪の水が合うのか。3・4月のMVPを獲得するモーレツぶりである。
2球目。インサイドのカットボールで詰まらせたろ。という魂胆のボールでそれなりのコースにいきましたし、多少詰まらせたのですが、バチコン。
シャープかつ豪快なスイングで放たれたボールは大きな弧を描くようにしてグングン伸びる。
フェンス際、見上げる桃ちゃんの右側。ポールを僅かに切れるようにして、スタンド中段まで打球は達していた。
「ファウルー!特大の飛球、惜しくもポールの左でした」
「すごい打球でしたね。インコースに入ってくるカットボールだと思いますけど、狙っていたのか、得意なゾーンだったのか」
「やはり去年までメジャーリーガーとして活躍していたグッドウィン。ひと振りで試合の状況を変えてしまう怖さを持っています」
「今のボール、高さはベルトの辺りでしたから。あれよりボール2個分高いところだと振ってくれるんですよね。もしくはそこを見せた後で、アウトローに落ちるボールというところなんですけど。
この選手は外のボールを打つのがまた上手いですからね。コンパクトに逆方向に軽打も出来ますから」
「低め、フォークボール!これは緑川がしっかり止めています。破壊力のあるプルヒッティングだけではなくて、逆方向への技ありがある辺りが、この選手が来日1年目から高い打率をマークしている要因でしょうか」
「バッティングとして理想的ですよね。内にも外にもホットゾーンがありますので、どっちかにはボールを投げ込んでいかないといけないわけですから、より高い精度が求められます」
2ー1というカウントになり、さっきの打球もありますので、やはりホームランというのは避けていきたいですから、アウトコースにボールを集める形にはなる。
アウトロー、126キロのツーシーム。コースギリギリからボールゾーンへという厳しいボールを助っ人マンは打ちにいく。
しっかり足を踏み出して、前の肩をコンタクトゾーンに向けて、バットを上から出した。
カキィ!!
ジャストタイミング。ピッチャーライナー。顔面付近目掛けて飛んでくる打球にグラブを出したショー君。
弾いた形になった打球はショート後方へ。これをナミッキーがジャンプ1番掴み取った。
それぞれのランナーが慌てて戻る。
「アウトです!ナイスキャッチ!ショート並木が後方に落ちようかという打球を掴みました!ピッチャー勝星を襲う強烈な打球、勝星もよくグラブに当てました!」
「よく反応しましたね。しかし勝星も投げた後にしっかりピッチャー返しの打球を処理する準備をしていますよ」
「なるほど。ピッチャーは投げ終わった後は、9人目の野手とよく言われます」
「最近の傾向として、どのピッチャーも強いボールを投げようとしますから、結構ピッチャー返しの反応が良くない選手が多くなっているんですけど、しっかり勝星は投げ終わった後に、右足が平行に出てきて構える格好になっていますからね」
「確かにそうですね。顔の辺りに飛んできたライナーでしたが、ギリギリグラブが出てきて、その先に当たりました。抜けていればセンター前のタイムリーヒットになっていた打球です」
「バントとフィールディングは自分を助けますからね。今は両リーグDH制ですから、打席には入りませんけど、投げるだけがピッチャーではないということですよね、もちろん」
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実況!4割打者の新井さん11 ぎん @gin5401
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