第7話 再度お願いと試合の調整

3人を帰して、そのまま父さんの執務室へ向かった。

ドアをノックすると、

「入りたまえ」

「失礼します」

「ん?ドエルか。どうした?」

「父さんに力を貸して貰いたくて」

と伝えると共に先ほどまとまった話をした。


「なるほど。施設、選手は揃ったが、肝心の観客がいないと。」

「はい!初回ですので、参加費は無料にしてでも来ていただいて格闘技の楽しさを分かって貰えればまた来てくれると思います」

「可愛い息子のためだ。いいだろう。集客は任せろ」

「はい。ありがとうございます」

「うむ。まぁ俺も興味があるんだしっかり楽しませてくれよ」

「はい!任せてください!では、おやすみなさい」

「あぁおやすみ」


**************


一週間後…。


「ドエル様!会場の設営完了しました!見にこられますか?」

「そうだね!見に行こうか」

「では、行きましょう!」

ガイアとマットを連れ地下格闘技場に向かうため商会を出ようとすると、

「おい!誰かいるか」


そんな声が入口から聞こえたので、顔を出すとそこには男を10人ほど連れたローテルがいた。

「ローテル!久しぶり」

「おう!ドエル。連れてきたぜ!」

「ちょうどいいところに!試合会場ができたから一緒に観にいく?みんなの紹介は、その後にしようよ!」

俺の質問に答えるため、ローテルがみんなにどうするか聞いてくれてるようだ。

「じゃあせっかくだから観に行くことにするよ」

「うん!じゃ行こっか」

まさかのタイミングで来たローテル一行を連れ会場にやってきた。

「おい!ドエル!この中でやるのか?」

「そうだよ」

ローテルたちはまた彼らだけで話し始めた。


「一旦彼らは置いておいて。もっと近くで見てみようか」

「はい!」

マットへお願いしたリングは、とても現代のリングそっくりに作られていた。俺の注文通りにやってくれたみたいだ!さすがマット。

「うん!いいね。客席もしっかり出来てるね。」

マットには、他にも選手入場する道や照明器具の設置等をお願いしていたが全て注文通りにやってくれたみたいだ。

そこへ、

「なぁドエル」

ローテル達が話を終えたようだ。

「どうした?」

「この喧嘩のルールとかってあるのか?」

「その説明もしないとだね。マットあれ持ってきて」

「はい」

そういって持って来させたのは、グローブだ。

もちろんボクシングではないので、オープンフィンガーグローブである。

「当日は、これを装着して試合をして貰うよ。ルールは、他には相手を殺さないこと。なるべく実際の喧嘩に寄せたいからね。ただ一応見せ物として行うから金的はなしとするよ。試合が止まっちゃうから」

「首絞めはどうなんだよ」

ローテルが連れてきた1人が質問してきた。

「首絞めももちろん大丈夫さ。だが、相手はきついと持ったら腕をタップするんだ。それがギブアップの合図とする。」

「分かった」

「それで勝ち負けはどう決めるんだ?」

次は、ローテルからの質問であった。

「大きく3つある。まず、1つがさっきの首絞めのタップによるギブアップ。2つ目、KO(ノックアウト)と言うもの。これは、相手選手の攻撃によって倒れた際に10秒数え、それまでに立てなかった場合に負けとなるもの。3つ目、審判による判定。今回は、1試合5分の3ラウンドで行うものとするが、その試合中に判定が出なかった時に審判のジャッチで勝敗を決めると言うものだ。質問は?」

かなり分かりやすく説明したからか、各々難しい顔をしているが質問は特にはなかった。


「それでドエル様開催はいつになさりますか?」

「それね。今週末にやろうと思う!だからマットはそれで日程調整をお願い」

「かしこまりました。すみませんが、これで失礼しても?」

「いいよ!あとよろしくね」

「はい!失礼します」

うん。マットに任せれば問題はないだろう。そして、俺はローテル達の方へ向き直す。

「試合ですが、当日のくじ引きとします。ちょうど12人いるので、6試合行いますね。試合当日までは、この会場でアップなどをしていてください。あっちには、寝泊まりできる場所もありますので、そこで寝泊まりしてください。他には?」

「みんなを代表して聞くが、報酬はどうなる?」

「そうでした!報酬ですが、まず呼び名を変えます!あなたたちが試合をして得るお金をファイトマネーと呼びます!これは、試合をするみなさんに支払われます。今回は、みなさん一人一人に50万ずつお支払いします!今回は、違いますが今後トーナエント方式で優勝した際には、優勝賞金もお渡しします。これは、ファイトマネーとは別になります。」

「そんな貰えるのか?」

「えぇですが強くなければ試合には出れませんので、今後は強くなれるよう努力してください。説明はもう大丈夫ですね?」

「あぁ!おかげでもうやる気いっぱいだ!当日楽しみにしていてくれ!」

「はい!では、当日よろしくお願いします」


その後、みんなの名前を聞き少し話をした後、会場を後にした。

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異世界に行ってもやりたいことは変わらねぇ! 蒼華 未来 @rjmuru

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