詩「蜃気楼」
ほんの少しでいいから
あなたとの距離がこんなにもあったなんて
そんなことは無いよってあなたは言うけど
ほんの少しでいい、あなたの隣に立って相応しいようにずっとずっと背伸びしてた
その他大勢になりたくなくて
私だけのあなたになって欲しくて
それが蜃気楼のように儚く消えていく夢だと現実に突き付けられる
あなたに相応しい人になりたい
あなたの本命になりたい
あなたに求めてもらいたい
そんなに高望みをしなければいいのに
それでもずっと脳裏にこびりついて
あんなに毎日もがいたのに
何も変わらないなんて誰に言っても笑うんじゃないかな
どうしても失いたくない
あなたの気持ちを知りたいのに
伝わってくるのはその他大勢のうちの一人なんじゃないかなってことだけ
私の実力じゃこれ以上は無理なんじゃないかな
そんなことを思っては身体の芯が冷たくなっていく
時間が経てば忘れられる?そうはいかなくて
一秒一秒経つほど網膜に張り付いたあなたの姿が残って現実が見えない
何が夢で何が現実か分かり切っているのに
こんなにもあなたと近づきたいのに
詩 kaoru @kaoru_379
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