怖そうで怖くない、クスッと笑って欲しい話

嵐華子@【稀代の悪女】全巻重版

これは小学生高学年頃のお話……

 うちの家がある団地。実は幽霊見える系の人曰く、霊道が通っているらしいんです。


 そのせいかポルターガイスト的な話が、近所でパラパラ聞こえてくる。うちの家もご多分に漏れず。


 最初はうちだけポルターガイストか? なんて思ってたんですが、ご近所の子供同士で遊んでいたら……。


「え、アンタん家も?」

「まさか……」

「うちもうちも!」


 なんて感じで判明した次第で。


 とはいえ、あんまり問題にならない。多分ポルターガイストが音や人影なんていう、可愛らしいレベルだからでしょうかね。普通に共存してる感じです。


 どんな事が起こるか? 例えば、ですよ……。


 小学生の頃は長風呂にハマッてまして、昼間に戸締まりしっかりしては、よく長風呂してました。


 昭和な時代の田舎です。回覧板とか回すのに、玄関開けてるとご近所さんがガラガラっと玄関開けて、中に入って声かけてくる事もあるんですよね。ガスや新聞の集金とかもそんな感じで玄関開けて「すいませ〜ん!」て家人呼び出そうとされたり。


 なので昼間の長風呂の時は、意識的に鍵をかけて入るわけです。


 この日も鍵かけてお風呂でリラックス。すると……。


――ガラガラ。トントントントン……。


 玄関開けて、階段を上がる音がする。


 昭和の古い家なので、玄関はガラスのハマッてる引き戸で音が響く。階段のすぐ近くにお風呂があるんで、階段の音も響くんですよね。


 誰か帰ってきたのかな、なんて思うものの、そんな玄関の引き戸だから、鍵を開ける音だって普通は聞こえるんですよ。つまり鍵、閉まったままなんです。


 それに階段上る足音が、やや軽やか。家族の誰の足音でもないなと。


 で、私の反応はこちら。


「鍵ちゃんと閉まってるなら、いいや」


 なんていう感じで、ポルターガイスト音に慣れすぎて怖さもない。


 他にも音関連は色々あるけど、ほぼ毎日なので慣れました。


 でもある日の夜中。


 二階の自室で眠ってた私は、いつもと違う音に目を覚ます。


――ゴォォォ、ゴォォォ、ゴォォォ。

――ガガッ、ゴォォォ……ゴォォォ。


 種類の違う低い音。音はどんどん大きくなって……消える。消えたかと思えば、また大きくなる。


 流石にいつもと違う音が突然始まると、怖いんです。なんと言ってもいたいけな小学生でしたからね。


 これが数日続いたある日……。


――ブチッ。

「うっせ(※意味:うるさい)」


 ええ、安眠妨害にキレた私の効果音です。ポルターガイストな音じゃないので、悪しからず。


 深夜なので真っ暗な中、すくっと立ち上がって音源を辿ります。


 夜目は利く方なので電気を点けず、暗闇の中階段を下りて一階へ。音はどうやら両親の寝室から聞こえている。両親が起きる音は無し。


 なのにゴォォォ、ゴォォォ、という音は聞こえる。


 これ私にだけしか聞こえていなってやつか!? やるな、ポルターガイスト! でもうっさいから、とりあえず見つけたら殴る! 騒音は昼間だけにしとけや!


 なんてぶち切れながら、そろそろとドアを開けて音の正体にゆ~っくりと近づいて……。


 結局、その日はそっと二階の自室に戻った。


〈後日談〉


「もう! 夜中父さんのイビキがうるさくて寝れんわ!」

「お前のイビキもうっさいぞ」


 両親の夫婦喧嘩です。


「おたくら二人共、同じだけうっさいんよ(怒)」


 つっこんだのは、いたいけな小学生だった私。


 ちなみに一階にある両親の寝室の真上に、私の自室があり、音が筒抜けだったとさ。





※※後書き※※

「怖そうで怖くない少し怖い」ホラー体験談てやつに応募してます。もちろん実話です。

※思春期真っ只中での安眠妨害が続いて、もっとガチ怒りしてましたが……。


最近かかったコロナで寝苦しい私の、安眠BGMに見まくっているYouTubeの怪談話を話してらっしゃる、まさに話し手たる怪談師の方々に読んでもらえるかも!?と思ったらテンション上がって書いてました(*´∀`*)


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今回、ちょっとでも目に留まりたくて欲しがっております(*´艸`*)

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