友達の友達はおともだち

あとがき

　どうも、本作『友達の友達はおともだち』の作者でもある八雲辰毘古（たつひこ）と言います。

　匿名両片想いな二人短編企画、お楽しみいただけましたでしょうか？

　当初柴野さんが企画を立ち上げたときは、実を言うと参加する予定はあまりなかったのですが、小説書きオフ会で盛り上がって友人たちと一緒に競作しようぜ！　てテンションで8月初頭からうんうん頭を悩ませました。

　なにせこの企画、難しいんです。

　いやどの企画もそれなりのレギュレーションで難しいんですが、今回は特に「両片想い」──ということで、ふたりが想いあってることをどう見せるのかがすごく難しい。

　ついこの間、たまたまですが警察小説新人賞という小説賞で「視点が……」という話題があり、SNS（主にX、わたしのTL）でいろんなコメントがあるのを眺めてました。

　両片想いに関してこれを適用すると、両片想いって視点の設定がほんとに難しい。

　なにせ片想いなら、目線人物（おもに主人公）が一方的に好きか、好かれてるかでいいわけですよ。

　でも"両"片想いなら、相手も好意を寄せてるんだとわかるような、それでいて目線人物にそれが気づかないような、そんな配慮をしなけりゃならないじゃないですか！

　これを解決する手っ取り早い手段は、片想いしてるふたりをつなぐ、もしくは俯瞰してる第三者にカメラを置くこと、または目線をころころ変えてしまうこと、などいろんなテクニックがあると想います。

　ただ、それだけじゃちょっとつまんないな、と自分が作る分には思ったのです（読む分にはぜんぜん楽しめます）。

　あと、ストーリーのネタが思いつかなかったのでけっこうギリギリまで粘ってました。

　色々仕方なかったので得意分野と自己体験をミクスチャしてぶち込みましたが、お楽しみいただけたなら何よりです。

　ちなみにわたしと付き合いの長い方、作風を熟知してる方なら、作品の内容を発表された時に納得感が強いのではないかと思います。

　文芸サークルものは昔書きましたし、男性一人称のもどかしい感じ、青春ものはじつはかなり得意分野だったりします。

▼『恋愛小説の読み方』

→文芸サークルもの。失恋したり、後輩に声かけられてその気になっちゃったりするような男子高校生の一人称を書いてる。

https://ncode.syosetu.com/n9232ep/

▼『フェアリィ・チャイルド』

→男の子の一人称。虐待を受けた少年たちが自身を「妖精の取り替え子」だと信じようとする幻想文学短編。8,000字程度なので八雲の作品を手っ取り早く見たい人にはおすすめ。

https://ncode.syosetu.com/n1861df/

▼『ヘタレ剣道一本勝負』

→第一部完結済（現在第二部準備中）。中高一貫校の男子校剣道部に所属してしまった少年の成長と葛藤を描くスポーツ小説。

https://ncode.syosetu.com/n6948hd/

　ちなみに、さいきんは（というか元々は）SFとかハイファンタジーとか書いてます。現代物と接点なさそうに見えますが、こと恋愛ものを書くにあたってはもどかしい心理描写やムードをたっぷり描くのが得意みたいです。

　カクヨムでも作品公開してるので、最新の活動はこちらでも堪能できます。よかったらぜひ。

▼『聖剣と魔女のミュトロジア』

→双子が主人公の冒険ファンタジー。村から父親が失踪し、記憶喪失になってしまった双子が、その手がかりを探しているうちに世界をめぐる騎士と魔女の争いに巻き込まれていくというもの。近日中に第二章公開予定。

https://kakuyomu.jp/works/16818093077277450340

▼『草食系オオカミくんは抜け目ない』

→社会人お姉さんと大学生男子の同居生活もの。まだ始まったばかりだけど、これから面白くなっていくんだぜ！

https://kakuyomu.jp/works/16818093077732980667

　ということで、お疲れ様でした！