賞なり書籍化を目指すなら……

 これは実績の多くない私が言えたことではないのですが、心がけていることと、多くの他の作家の方と話をしてみて思っていることです。


 誰しも作品を作ったからには何らかの賞、そして書籍化という思いは少なからずあるはずです。そんな時にやるべきこととして重要視している点が3つあります。それは、


・完結させること

・たくさん作品を書くこと

・公募はあまり考えずにたくさん応募すること


 結論から言うと、自分が良いと思った作品と周りが良いと思う作品に解離があるということです。


 一ヶ月練りに練って書いた作品が全然反響はなく、何となく勢いで夜中に一気に書いた作品が受賞したり、あまり期待していなかった公募がすんなりと通ったり、という話はよく聞きます。

 なので、一喜一憂せず、たくさん書いて、好き嫌いせずテーマが合っていればできるだけ応募する、というのが大事だと思っています。

 

 また、途中まで書いて「反響もよくないし、きっと良い作品にはならないだろう」と思って完結させずにしてしまうと、この少ない可能性も完全にゼロになってしまいます。また、何らかの公募を見つけて、昔書いた作品がテーマに合っていそうなのに、完結していなかったが故に応募を逃してしまったりすることもあるかもしれません。


 完結する、というのはエネルギーが要るものです。それも人気のある作品ならまだしも「自分以外誰が読んでくれるんだろ?」と思う作品を何千字も書くのは骨の折れる作業です。

 でもそれはやはりやらないといけないのです。歯を食いしばってでも。


 ここからは自分の話になりますが、私が生まれて初めて賞(佳作)をいただいた「小説でもどうぞ」ですが、公募ガイドのコーナーで毎月募集していました。12回応募すれば一回くらい通るだろう、と思って必死にしがみついて応募していましたが、7、8回やっても全く箸にも棒にもかからない状態でした。

 それどころか、選外佳作という佳作より下の作品をいくら読んでもどう考えても私の作品の方がよく見えたのです。

 内容というより文章の体をなしていない、と感じてしまいました。


 だんだん辛くなってきて私は応募するのを辞めました。

 しばらくたって担当者が変わっていました。思い出したように「そういえばこんなのあったな、応募してみるか」と応募したのが「パラレル写真」でなんと一作目で人生初の佳作をいただいたのです。「最優秀賞と迷った」とまで講評いただいたのです。

 しかしこの作品は自分では正直「傑作ができた!」とは思っておらず、他の作品同様のクオリティと思っていました。ですがこういうこともあるようです。

 その後も味をしめて「小説でもどうぞ」に応募していますが、渾身の作品でさえ選外佳作にもひっかかっていませんが……。

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小説・シナリオのTIPS集 木沢 真流「漂流病棟」GANMA!で連載 @k1sh

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