あなたと初めて~出会った瞬間~
ハル
第1話 出会い
私は宮口茉弥(みやぐち まや)。37歳。
ダブルワークをしている女性。
朝9時から通常夕方5時の時間の勤務で残業なしの職場だ。
そして夕方はバイトというか夜寄りの時間からしている。
元々は土日祝だけの契約していたけど、一週間のバイトなしの空白は長く感じて逆にきついのと集中力が欠ける感じがして徐々に平日もバイトをシフトに入れて貰うことにした。
バイトは立ち仕事の為、やる事が沢山あり結構ハードである。
そして、その状況も馴れた頃、ある話が出てきた。
ここの職場は一年に一度の上司の異動がある。
しばらくは居なかった店長が来るとの事だった。
そして、もう一人新しい社員、店長候補の人が面接に来たとの事だったのだ。
バイト先の周囲の人からの話ししか聞いた事がない私は
『どんな人だろう?』
その事だけだった。
しばらくは会わなくて1ヶ月位経った頃、要約、会えた。
店長とだ。
その日のシフトの予定では、もう一人の人とも会えるはずだったんだけど体調不良の為、会えず日にちが過ぎる。
噂や話では親しみやすい人との事。
勿論どういう人なのか?という私の質問と勝手な想像の中で店長とは会えたんだけど……
まあ確かに落ち着いた雰囲気だったし良さそうな感じであったんだけど、他の店舗の店長でもあり、メインはうちの店舗じゃないみたいで、シフト見てもほとんど会う事は無いようだ。
そして、しばらくして、もう一人の人と会う事となった。
シフトを見て要約、会える日になり────
普通にバイト先に向かう。
「お疲れ様です!」と私。
「お疲れ様~」
シフトに入っているメンバーが返事をしてくれる。
今のバイト先は一回事情があって辞めた場所だから顔馴染みの人ばかりで和気藹々(あいあい)で楽しい職場なのだ。
職場の人達も私が、一回辞めてからその後は随分と辞め職場の雰囲気もガラリと変わったのだ。
私は休憩室に入る。
「………………」
1人の人影と視線がぶつかる。
《えっ…!?誰…!?この可愛い系…》
休憩室には一人の男の子。
と言うより…男の人…?
私は、一瞬にして一目見て目も心も奪われたかのような時間(とき)が止まったような感覚になる。
「…もしかして…水河(みずかわ)…さん……?」
「はい」
笑顔で答える彼に更に私の胸はキュンとなったような気がした。
待って!待って!待って〰️〰️!
私が想像していたのとは全然違う!
ヤバイ……!
可愛い系なんだけど、でもワンコ系の可愛い系じゃなく何処か大人っぽい雰囲気と言うべきか……
「初めまして。宮口です。要約お会い出来ましたね」と私。
何とか平常心を保ちつつ私達は自己紹介をし合う。
彼の名前は水河 劉生(みずかわりゅうせい)さん。27歳。
「そうですね」と水河さん。
彼はシフトを見て
「今日は出勤だったんですね」
「そうですね。平日は、もう1つしていて行事がない限りは土日祝日がメインなんです」
「へえー、お忙しいんですね」
「そうですね」
少し会話をすると彼はテーブルに顔を伏せ私のいる中、目の前で横に頭を向け眠り始める。
《無、無防備な寝顔…可愛い過ぎでしょう!?》
《ズルすぎっ!》
彼は全然悪くないのに、そう思ってしまう私。
そして休憩が終わった様子で仕事始める彼。
彼は眼鏡を掛けているようだ。
眼鏡掛けると知的な感じの雰囲気に見える。
その日の夜、今日の事を思い出す。
私は何故か涙が溢れた。
この時、私の中に蘇ったのはメールのやりとりをしていた彼だ。
実は今日の彼に出逢う迄は、一応、相思相愛の相手がいた。
『付き合おう』とは言われてないけど相思相愛だという事が分かるような言葉は、お互いの想いを伝え合ってきていた。
つい最近まで数年間続いていたメールのやりとりもピタッと取れなくなってしまい私は、どうすべきか…そういう状況になってしまっていたのだ。
今日の彼は雰囲気が似ていたのだろうか?
私は照らし合わせていたのかもしれない。
一気に込み上げた涙は自分の想いなのだろう。
そして、またしばらく会えず要約2回目。
私がシフトに入る前、彼・水河さんの休憩時間に遭遇。
2回目は初対面の時とは、また印象が変わっていた私。
可愛いと言うより今日はイケメンより。
そして私は水河さんが趣味としているのをバイト先の人の田邉(たなべ)さんから聞いていた事を尋ねてみた。
水河さんは普通にスマホを見せてくれた。
実は写真を撮るのが好きらしいのだ。
余りにも綺麗過ぎてプロ並みで驚くばかり。
「凄いですね!」
スマホで撮ったとは思えない出来映えで
私が好きな写真ばかりで待ち受けにしたいくらいだった。
その後、私の中で連絡交換出来たらなーと思う中、私は、一か八か久しぶりに手紙を書いてみる事にした。
バイト先で以前からいた顔馴染みの田邊(たなべ) ゆかりさん。
『職場の同僚として交換して良いと思うよ』
そう言ってくれた。
実際に店長と各々個人的に連絡交換しているパートさんがいるらしいとの事だ。
話によれば長年働いているとかの人じゃないパートさんなんだけど余り良いイメージがない噂を聞いている。
そして、そんな私は水河さんに手紙を書いて渡すようにし、シフトに間に合うようにバイト先に向かう。
「お疲れ様です」と私。
「あっ!お疲れ様です」と変わらない笑顔で返事をしてくれる。
休憩中、水河さんは眼鏡を掛けていない。
この雰囲気の水河さんは本当にイケメンで、だけど何処かあどけなさがあるような可愛い雰囲気……
水河さんは私が来る時間には必ずいる。
私は勇気を出して手紙を渡した。
「愛の告白じゃありませんので」
「えっ?何だろう?開けて良いですか?」
「はい、どうぞ!」
私は一旦、その場を離れた。
その場に戻って来ると
「送っときましたよ!」
「えっ!?早っ!良いんですか?」
「全然大丈夫ですよ」
《嘘…あっさりと…》
「LINEの方が良かったですか?」
「LINE!?えっ!?良いんですか!?」
「はい!全然大丈夫ですよ!」
《マジ…嘘でしょう!?》
「すみません!図々しくて」
「いやいや大丈夫ですよ!俺は全然」
年の差あるし、しかも水河さんには彼女がいるのは本人から聞いた。
今の子たちって、こんな感じなのかな?
そう思った瞬間だった。
だけど、どうやら職場の人の話だと
『そんなものだよ』
と田邉さんからそう言われた。
確かにインスタとかSNSとか今や幅広いコミュニケーションの方法がある。
仲良くなって交換したり、アカウントだったりと様々なやりとりしあう。
それが今の世の中。
余りにもスムーズにいき過ぎて…だけど交換出来た事が本当奇跡で驚くばかりだ。
普通に挨拶して仕事の話をする。
ただ ただ仲良くなる事だけに私は、それ以上は求めないと決めていた。
それに今の現状、恋愛感情すら私にはない。
恋愛感情があったらドキドキしたりドキッとしたりするのが恋愛感情があると私は考えるけど……
不思議と、それがないのだ。
前の相手は、ドキッとしたりドキドキしたりしていたんだけど……
メールのやりとりだけで、そんな気持ちになるのも可笑(おか)しい話だけど……
ちなみに今の人は彼女がいる事を知っているからか、もしくは私が、まだメールの人が心残りからか…
正直、自分の事なのに分かっていない。
それから水河さんとはLINEのやりとりをするようになる。
返信が来ると嬉しいけど
“好き” という気持ちはない。
職場では余り話せないし周囲から怪しい感じに見られても困る。
相手にも迷惑になる。
だけど水河さんは社交的で誰にでも対等で分け隔てなく接するから凄いなと思う。
本音、本心は分からないけど、お互い仲良くなりたい相手だという思いは間違っていないような気がした。
良く話し掛けてくれるし話してみてお互い親しみ易さがあるし沈黙に嫌な気持ちにならなくて何故か居心地良くて…
こんな事って今まであった?
そんな自分に自問自答する。
でも好きという気持ちがないのも私の中で疑問で…
彼女がいるから?
それとも他に理由がある?
そんな疑問の中で私は普通に過ごしてるんだけど────
水河さんは、どう感じてるか知らないけど───
「えっ!?辞める!?」
「そうらしいよ」
「そうなんですね…」
突然、耳を疑う事実が発覚した。
水河さんが辞めるとの事だ。
まさかの事態に私は驚いた。
《私が店長候補とか言ったからかな?》
以前休憩室で偶々2人きりになった時そういう話をしていた。
私は、すぐにLINEをする。
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~ Ryusei Mizukawa side ~
『大丈夫ですよ』
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どうやら自分がやりたいと思っている所から声がかかったの事。
最初はダブルワークしようと思ったけど県外なので体力的に無理する事になるから退職する事にしたとの事だった。
水河さんがいる間、少しでも仲良くなりたい。
それが唯一の願いだ。
本当は、ちょっと出掛けたいという思いもあるけど彼女いるし誰に見られるか分からない。
それに親子と変わらない年齢だし職場の同僚としても流石に水河さんも一緒に出掛けようとは思わないはず。
なんて勝手に思い込んでるけど……
水河さんの本心とか本音は分からないから何とも言えない。
水河さんとのシフトの時間帯は、ほぼ、一緒になる事はない。
週に1・2時間のみ、しかも数回あるかないかだ。
“もっと話して仲良くなりたい”
そう願うも叶わず。
LINEばかりして迷惑掛けたくないし、ウザがられるのも嫌だし色々と悩む。
それに過去に仲良くなりたいが為に失敗した事があるのもあり正直トラウマがある。
後は何を話せば良いんだろう?とか…
質問攻めも、どうかと思うし…
そんな時シフトを見ると徐々に同じ時間帯と1・2時間が数時間一緒になる事が増えていた。
仕事も慣れてきたからなのか…
だけど日にちは、もう限られてるし職場だからそんなに親しく話せない。
普通に話して良いんだけどシフトのメンバーによっては私の中で気を付けて過ごしたいのもある。
そんなある日────
「お疲れ様です!」と水河さん。
「お疲れ様です」と私。
水河さんがシフトであがる時間。
挨拶をして休憩室へと姿を消して行った。
そして────
「お疲れ様です」
と水河さんが再び言ってきたかと思ったら
「最近どうしたんですか?」
と話をしながら歩み寄り近付いてくる。
「え?何がですか?」
「LINEでは沢山話をしてくれるのに職場では全然話してくれないから」
かあぁぁ~~っ!
私はどストレートの水河さんの発言に体が熱くなり顔が真っ赤になったのが分かった。
自分でも、どうしてそうなったのかは分からないけど水河さんは避けられていた感があったのかもしれない。
正直、自分では避けてるつもりはなかったんだけど、どうやら田邉さんも不思議に思っていた位、私が水河さんを避けているように見えていたみたいなのだ。
「明日は…話せるかな…?」と私は言った。
すると水河さんは笑顔を見せ親指を立てる仕草を見せ帰って行った。
《は、反則だよ〰️〰️!》
《てか…絶っ対!顔真っ赤だったの分かったよね!》
《しかも近くに噂する人いたんじゃ?》
ちょっと…いや…かなり焦る中、あんな水河さんは見た事ないし突然の出来事に私の胸のドキドキは暫く治まらなかった。
その日、水河さんにLINEを送る。
自分の正直な気持ちだ。
顔が真っ赤になっていた事。
それにきた返事が
距離感があったからとの事。
次の日────
再びシフトが水河さんと一緒だ。
今日のシフトは正直、いつも以上に心おきなく和気藹々で出来るラッキーなメンバーと言っても良い。
昨日の事もあってか今日は話す機会はあるし私から話を振ったりしていた。
そして、その日、水河さんが、あがる時間。
私は他の用事をしていた。
他のメンバーに
「お疲れ様です!」
と言っているのが聞こえていた。
私は、そのまま黙々として方向転換しようとした次の瞬間───
「うわっ!ビックリした!!」
水河さんは、クスクス笑いながら
「お疲れ様です!」と水河さん。
「お疲れ様です。さっき向こうにいたじゃん!」
「瞬間移動してきました!」
「瞬間移動…」
私達は笑い合う。
その日、水河さんからLINEが来ていた。
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~ Ryusei Mizukawa side ~
『距離縮まりましたね』
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水河さんの中で、そう感じたのだろう。
水河さんが、そう言ってくれた事は素直に嬉しく思うけど……
この関係も長く続かない。
水河さんは辞めてしまう。
彼女がいなかったら…そう思う自分が時々いる。
でもドキドキはないし多分この状態は、ずっとじゃないかな?そう思った。
もし恋人として付き合う事になっても同じだと思う。
友達以上恋人未満。
だけど今の、この関係も悪くはないなとは思っているんだけど水河さんは、どうなんだろう?
まあ彼女いるし別にどうも思っていないのかもしれない。
そしてシフト上、今日が最後の日。
シフトの時間職場に入ると私の所に水河さんが来る。
「今日で最後ですね」
「それ言わないで下さいよ~。泣きそうになるから」
「そうなんですか?」
「そうなんです」
今日は偶々シフトが同じ時間帯になっていて、しかもラッキーなメンバーシフトだった為、話す時間も、いつもよりあった。
しばらくして、シフトで仕事の終わる時間。
「お疲れ様です。では、お元気で」
「またね~。たまに来てね」
と田邉さんは軽いノリで水河さんに言う。
「はい!また来ます!」
と水河さんは笑顔で答える。
「では、お元気で」と私に言う。
「はい…お元気で…」
と笑顔を見せるも私は目頭が熱くなってくる。
《ヤバイ…やっぱ無理だ…》
こういうのは本当に昔から苦手だった。
年齢(とし)を重ねる事に更に涙腺が弱くなり、ちょっとした事で感動したりすると、すぐに涙が出る。
私は、すぐに目をそらし
「やっぱ無理だ~…涙が…」
「全然会えない訳じゃないですから」
「そうなんですけど…私、本っ当に、こういうの苦手なんですよ~」
気を利かせて田邉さんが
「後は若い2人でどうぞ!」
なんて言われた。
お互い好きとか、そういうのはないけど、そう言われるとなんか変な感じだ。
「また来ますから」
「はい…」
「大丈夫ですよ。たまに戻って来ますから。その時に連絡します」
「…分かりました…」
実は私達は出掛ける話をしていた。
彼女いるし絶対無理だ。
そう思う中、半信半疑な中、社交辞令として出掛ける話を最初に書いて渡した手紙に書いていた。
そして辞めると分かりお疲れ様の手紙を書いて最後に渡した。
それにも出掛ける話をしては冗談として私は付け加えておいた。
第一、彼女いるし、そんな出掛けるなんて夢のような話、実現するわけがない。
そう言い聞かせていた。
すると、ある日のLINEで
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~ Ryusei Mizukawa side ~
『帰ってきたら出掛けましょう!』
なんて言われ誘われた。
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まさかの出来事に驚くも私は社交辞令と何度も何度も自分に言い聞かせていた。
仕事の事もあるし彼女もいる。
私は改めて自分の行動が恥ずかしくなり、
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~Maya Miyaguchi side ~
『私が余りに言うから。迷惑かけてたらすみません』
『戻ってきたら色々と友達と会う事などあって忙しいだろうし、そちらを優先して下さい』
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~ Ryusei Mizukawa side ~
『迷惑とか思ってないですよ。むしろ話してくれてありがとうございます』
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何通かのやりとりして次の日も次の日もLINEのやりとりして、まるで彼女みたいに……
そしてバイト先に私がいない間、制服を返しに来た様子。
《…いる時に来るって…言ってたのにな…》
県外に行く前に会えるかと思っていたけど…残念だった。
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~ Maya Miyaguchi side ~
『制服返しに来られたんですね。会えるかと思いましたが残念です』
本心交えて入れてみた。
水河さんなら普通にとってくれるだろう……
そう思いLINEを送った。
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~ Ryusei Mizukawa side ~
『すみません。もしかして、1(ワン)チャン会えるかと思いましたが会えなかったですね』
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水河さん的に意識して来てくれたみたいだ。
本心・本音は分からないけど、その言葉は嬉しかったりする。
その後、水河さんは県外に行った。
それからもLINEのやりとりする。
いつも“迷惑じゃないかな?”とか
返事がないと“忙しいのかな?”とか
色々と考えてしまう
だけど、しつこい LINEも相手が嫌がるし嫌われるのは目に見えてる。
追い LINEも返事来ない中するのも……
何とか我慢していると返信が来ていたり運良く入って来たりとの事はある。
一通なら一通。
二通なら二通。
そのまま通知の数の分、水河さんは返事をくれていた。
だけど私の想いは全く変わらない。
そして時々思う。
出かけることに抵抗ある事。
あれ程、出掛けられたらなんて思っていたけど、いざ出掛ける事に抵抗がある。
本当に出掛けるチャンスあるのかな?なんて─────
私といると水河さんのイメージが悪くなりそうだから。
私は特別に可愛いとか美人とか容姿に自信ない。
そんな私が水河さんの隣で肩を並べて歩くのって……
眼鏡掛けていない水河さんはイケメンだし眼鏡掛けたら、また雰囲気違うし……
どちらにしろ水河さんと私は……
そんなある日、水河さんは私に彼女の事を話してきた。
どうやら仕事が忙しくて構ってやれないらしく彼女と別れる危機になってるとか?
《別れちゃえ!》
なんて本気じゃないけど思って言いたくなったけど……
水河さんは職場を辞め今の仕事に変わり一番大事なのは私は理解しているつもりだ。
彼女が、そこを理解してほしい所だけど仕事に専念する事を話して一旦距離をおく事を話してみた。
私に出来ることは何もない。
2人の問題だからと私は伝えた。
こんな事になっても尚且冷静で何も変わらない私の想いは相変わらずだった。
水河さんにとって私は、どんな存在なんだろう?
まだ友達と言える関係じゃないと思うし、やっぱり、まだ職場の元同僚止まりなのかな?
そんなこんなで日にちは過ぎていく。
水河さんが同じ職場を辞めてから私は “水河君” と呼ぶようにしていた。
一応、同じ職場で働いている時からも時々、LINEの時だけは “水河君” と呼んでいたものの今は同じ職場でもないし関係を少しでも…と思い試しに、ちょっとイタズラ心で下の名前で “劉生(りゅうせい)君” と呼んでみた。
急に呼ぶのもと思い名前の後に『ちょっと呼んでみた』と添えた。
すると、その返信が、まさかの……
『全然、下の名前で良いですよ』との事だった。
距離が縮みそうな予感!?
なんて思うけど、もしも、そう呼ぶ事になったら私の事も苗字で呼ばれるのは…とは思うけど……
仕事関係から抜け出すには、それしかない気がして……
だけど水河君に呼び方は任せる事にした。
強制する気ないから
その後、連絡が来なくなった。
体調でも崩した?
それとも……
既読すらついていない。
仕事が忙しいのかな?
なんて思ってるけど……
下手に追いLINEはしたくない。
まあ数日経ったらくれるだろうと思っていたものの────
そして─────
LINEの返事が来ていた。
仕事は順調だけど忙しいとの事だった。
心配しつつも忙しいのも検討していたんだけど……
安心した部分もあり、やっぱり距離感持って待つ事も大切だと思った。
それに前に返信は確実だと言っていたから信じて待つ事は必要だと自分に、そう言い聞かせていた。
中でも、その返信の中に私が言った事に賛成してくれた事が違う意味で嬉しかった。
正直自信はなかった。
私が彼・劉生君と呼ぶ事になった所で相手が必ず私の下の名前を呼んでくれるとは限らないから。
職場の同僚として例え元同僚になったとしても、そのまま距離を保ちたいなら呼び方は変わらないはず。
結果、劉生君は下の名前で呼ぶ事を言ってくれた。
LINEで下の名前を呼び合ってやりとり。
違う意味で勝手に距離が縮んだ感。
そんなある日。
✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕
~ Ryusei Mizukawa side ~
『近々、帰って来ます』
そんなLINEが劉生君から入っていた。
ハッキリとした日程は書いてないけど……
出掛ける予定なのかな?
そう思うも敢えて、その事は聞かなかった。
そして───
✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕
~ Ryusei Mizukawa side ~
『今日はバイトですか?』
劉生君からの朝の仕事中の時間帯にLINEが入って来ていた。
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~ Maya Miyaguchi side ~
『バイトです』
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~ Ryusei Mizukawa side ~
『そうなんですね』
『茉弥さんの都合がつく日に出掛けようと思ってるのですが…』
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胸の奥が小さくノックした。
《出掛ける事…視野に入れてくれてたんだ…》
嬉しい半面、本当に良いのかな…なんて…
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~ Maya Miyaguchi side ~
『ありがとう』
私達は都合を合わせ出掛ける予定をたてた。
だけど当日────
✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕
~ Ryusei Mizukawa side~
『すみません。仕事で問題発生して職場に戻らないといけなくなりました』
ドタキャンのLINEが入ってきた。
私は仕事を優先して貰うように話をして今回は無しとなった。
残念だけど逆に良かった部分もあったんだけど───
✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕
~ Maya Miyaguchi side ~
『仕事の方は大丈夫でしたか?』
私は、LINEを送るも返事は、すぐになかった。
そのうち来るだろう…
私は、それからLINEはしなかった。
✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕
~ Ryusei Mizukawa side ~
数日後────
『この前は本当にすみません』
『仕事の方は何とかなりました』
✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕
~ Maya Miyaguchi side ~
『お疲れ様。それなら良かったです』
私は、そう返信をした。
もう二度とないだろうな…
私は出掛ける事に期待をする事もなく
それからLINEの画面を開くもLINEを送る事は出来なかった。
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~ Ryusei Mizukawa side ~
『お疲れ様です。お久しぶりです』
劉生君からLINEが来ていた。
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~ Maya Miyaguchi side ~
『お疲れ様。久しぶりだね』
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~ Ryusei Mizukawa side ~
『今日お休みだと聞いてLINEしました』
『都合が良ければ、今日出掛けませんか?』
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~ Maya Miyaguchi side ~
ドキッ
突然の誘いに胸が大きく跳ねた。
『えっ!?今日!?』
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~ Ryusei Mizukawa side ~
『無理を承知で誘ってみました』
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~ Maya Miyaguchi side ~
突然過ぎる!
まあ確かに用事はないけど…
『駄目じゃないんだけど…突然過ぎるよ…』
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~ Ryusei Mizukawa side ~
『すみません…前回の事があって申し訳ないのと連絡来なくなったから気になって』
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~ Maya Miyaguchi side ~
『それは…忙しいから』
『それに劉生君も色々と大変だろうから』
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~ Ryusei Mizukawa side ~
『確かに、それはあるんですけど約束ドタキャンした事が本当に申し訳なくて』
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~ Maya Miyaguchi side ~
『大丈夫だよ。気にしないで』
✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕
すると突然電話が鳴り画面には
【水河 劉生】
ドキッ
胸が大きく跳ねる中スマホを落としそうになるも胸がドキドキ加速する。
私は通話ボタンを押した。
「すみません。水河です。家分からないから待ち合わせしましょう!」
トントン拍子に劉生君が話を進めていく。
「ちょ、ちょっと持って!」
「えっ?やっぱり駄目ですか?都合悪い感じですか?」
「いや…都合悪い、どうこうより…」
「はい」
「…えっと…余りにも突然過ぎて…頭が…」
クスクス笑う声が電話口から聞こえる。
「な、何で笑うのー?」
「すみません。茉弥さんが焦ってるのが凄く想像出来る位、伝わってて。前、職場で俺が距離感あるなーと思って話しかけた時みたいに」
「あれは…」
「それで、どうしますか?」
「えっ?」
「出掛けます?」
私はOKの返事をした。
待ち合わせ場所に行く。
不安と出掛けられる期待にドキドキしながら初デートの時を思い出すかのように────
そして待ち合わせ時間。
「ねえ彼女、誰かと待ち合わせ?」
「えっ?」
声を掛けられ振り返る視線の先には知らない男の人。
「さっきから、ここにいたよね?可愛いな~と思って良かったら出掛けない?」
「えっ…?あ、いや…ごめんなさい…」
グイッ ビクッ
手首を捕まれ肩が強張った。
「良いじゃん!」
「ごめんなさい!困り…」
その時─────
「茉弥さん」
ドキッ
振り返る視線の先には車の助手席の窓を開けて声を掛けてくる劉生君の姿。
「すみません。待たせて」
私は首を左右にふる。
「すみません…失礼します!」
そう言う私に
スッと捕んでいた私の手首を相手は離した。
劉生君の車の助手席のドアが開く。
「乗って下さい」
私は頷き助手席に乗り車は走り出す。
「大丈夫ですか?」
「…えっ?…あ…うん…」
「…すみません」
「えっ?どうして謝るんですか?」
「怖い思いさせてしまいましたね」
「そんな劉生君は悪くないから。大丈夫だよ。気にしないで」
私達は話題を変え出掛ける。
楽しい時間は、あっという間に過ぎる。
「 道案内お願いします」
「えっ?道案内…?」
「家まで送ります」
「えっ!?大丈夫だよ!」
「あんな事あって危険過ぎます」
「あれは…偶々…」
「偶々とはいえ怖い思いしたのは事実でしょう?」
「それは…」
「送らせて下さい」
「…お願いします…」
私は家まで送ってもらう。
「今日はありがとうございました」と私。
「いいえ。また出掛けましょう」
「えっ?あ…うん…」
私達は別れる。
その後すぐに改め、お礼のLINEを送る。
それから普通の生活に戻るも劉生君からのLINEが増えてきた。
会う機会も増え私の気持ちも変わり始める。
会う度に自分に言い聞かせる。
“年の差あるから” とか
“友達だから” とか
とにかく今の関係を壊すのも嫌で
“友達以上恋人未満” ……etc.
期待しないように……と─────
そんなある日の事だった。
私達は出掛ける約束をしていた。
✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕✕
♪♪~…
電話が鳴り私は通話ボタンを押した。
【もしもし?】
【ごめん!ちょっと遅れる!】
【えっ?仕事?仕事なら、そっち優先して。私は大丈夫。すぐに帰るから】
いつもなら家までの送迎になるはずが、お互いの都合により待ち合わせをする事になった。
【それは大丈夫!近くの店に入ってて】
【…うん…分かった…】
【必ず来るから!】
【…うん…】
私は移動しようと思った直後の事だった。
グイッと肩を掴まれた。
ビクッ
《…えっ…!?》
「彼女、ドタキャンでもされた?」
「えっ!?違…っ!」
視線の先には2人の男の人。
「電話、彼氏だったんでしょう?」
「それは…でもドタキャンされた訳じゃ…」
「そう?」
「そうとは限らないでしょう?」
「大丈夫ですから!離して下さい!」
私は何とか振り切り歩き始める。
グイッと腕を掴まれ引き止められた。
「な、何ですか?離して下さい!」
「良いじゃん!」
「来るわけないから」
「そんなの分からないじゃないですか!?だから離して下さい! 待ち合わせ場所に異動…」
「茉弥っ!」
ドキッ
グイッともう一つの腕を掴まれた。
スッと私の前に立ち塞がる人影。
「彼女、自分の連れなんでちょっかい出すの辞めてもらえますか?」
ドキッ
「別にちょっかいっつーか声掛けただけじゃん!」
「無理矢理連れて行こうとしましたよね?」
「……………………」
「…おい、行こうぜ」
「ああ」
二人は去って行く。
「ごめん。ありが……」
グイッ ドキッ
引き寄せられ抱きしめられた。
「えっ?ちょ、ちょっと…」
「ごめん…茉弥」
「…えっ…?」
《えっ…!?今…呼び捨て…された…?》
「…劉生…君…?」
《ていうか…私…抱きしめられてる…ドキドキが…ヤバイんだけど…》
《…私…やっぱり…無理だ…》
《…彼が…劉生君が…好き…でも…》
「ほ、ほら!行くよ!」
私は平然を装い押し離し歩き始める。
「車…何処…」
スッと背後から抱きしめられた。
ドキン
「…劉生…君…」
「やっと触れる事が出来た…」
ドキン
「本当は…凄く触れたくて仕方がなくて…さっきの見て、なんか…ムカついて嫌になって…すっげー我慢の限界が…爆発した…」
《…えっ…?…つまり…それって…嫉妬…って…やつ…?》
《…ま…まさか…有り…》
振り返らせ視線がぶつかる。
ドキッ
眼鏡を掛けていない劉生君はイケメン過ぎてまともに見れない。
《…わ、わ…どうしよう…目を逸らしたいけど…》
かあぁぁぁ~~~っ!
私は恥ずかしくなり何とか軽く押し離すと劉生君の胸に顔を埋めた。
「…茉弥…さん…?」
「…ごめん…ちょっと…今は…顔あげれない…」
「…………………」
スッ ドキン
両頬を両手で優しく包みこむように触れたかと思うと顔を上げさせると、おでこにキスされた。
かあぁぁぁ~~~
スッと私の手を掴み歩き始める。
《次から次へと…反則だよ…》
《まともに見れないじゃん…》
スキンシップが立て続けに起き過ぎて頭と体がついていかない。
絶っ対っ!顔も耳も真っ赤だ。
身体も熱い。
久し振りの感覚。
この歳になって年下の男の人にキュンキュン所かドキドキしっぱなしだ。
「…茉弥…さん…大丈夫ですか?」
「…え……あ、う…ん…」
劉生君を見ては、すぐに目を逸らしながら返事をすると前を向きつつも若干うつ向き加減の私。
「ていうか…今度は…さん付け…なんだね?」
「…えっ…?」
「……ううん…何でもない…」
「…茉弥って呼んで良いの?」
ドキッ
「…それは…」
「つーか、茉弥、お猿さんみたい赤いよ」
からかう彼に私は更に身体が熱くなっては赤くなる。
バッと掴んでいた手を離すと彼は小走りで逃げ始める。
「あっ!ちょ、ちょっと!!劉生っ!」
私は後を追った。
ねえ 私は
あなたと同じ道
歩いていけるのかな?
年の差あるけど
あなたにとって
私はどんな存在なの?
“特別” な存在…?
あなたの本当の想い
聞かせて……
私は……
あなたが……
好き……
次の瞬間──────
ドンッ
彼・劉生君の背中にぶつかった。
「うわっ!」
「きゃあっ!」
ドサッ
勢いで倒れてしまった。
「…いつからイノシシになったんですか?」
「…えっ…?…イ…イノシシ…?」
「正に…猪突猛進(ちょとつもうしん)…」
「…えっ…?」
「真っ直ぐに猛烈な…勢…ぃ……」
ドキーーーッ
劉生君と視線がぶつかる。
至近距離にある顔が近過ぎて私の胸は大きく飛び出す勢いで跳ねた。
運良く勢いで倒れたかと思われる車の座席のシートの上。
そして私が劉生君を押し倒した状態になっている。
かあぁぁぁ~~~っ!
「ご、ご、ごめんっ!」
私は慌てて離れ始める。
グイッ
頭の後頭部を押されたかと思うと私の唇に劉生君の唇が重なる。
ドキン
そして唇が離れる。
バッ
一瞬、視線がぶつかるも私はすぐに慌てて離れた。
「…………………」
劉生君も起き上がり私の手を掴むと掴んでいた手を離し両肩に手を置く。
「車…乗って下さい」
そう言うと私を助手席に乗せ車の助手席のドアを閉めた。
ドキドキが治まらない。
《…キス…された…》
運転席に乗る劉生君。
私は窓の外を見ると、車は走り出す。
「………………」
沈黙が流れる。
だけど嫌な空気感は一切なくて全然気にならない。
「…怒ってる?」
「えっ?」
「…キスした事…」
「怒ってないよ」
「…本当?」
「怒る理由ないよ。ジコだし。私も悪かったから。ごめんね」
「…いや…俺も悪かったし…」
私達は話題を変える。
そして1日を楽しみ別れ際────
「ありがとう。それじゃ気をつけて帰ってね」
「ありがとう。それじゃ、また」
「うん」
私は車から降り始める。
「茉弥さん!」
グイッ
腕を掴まれ呼び止められた。
「何?」
スッと片頬に触れる。
ドキッ
ゆっくりと顔が近付いてくる。
ドキン…
ドキン…
私は抵抗する事なく私達はキスを交わす。
唇が離れ至近距離で見つめ合う私達。
「…………………」
それから何度も唇を交わし吐息が洩れそうになる中、抱きしめられると、すぐに抱きしめた体を離す。
再び見つめ合う私達。
ドキン…
ドキン…
ドキン…
いつになく劉生君の優しい眼差しに見え私の胸がドキドキ加速する。
そして加速する中、横髪に触れながらも何処か熱っぽい眼差しで見つめる劉生君に更に私の胸の鼓動が自分でも聴こえる位にドキドキ加速する。
「…茉弥さん…」
「…何…?」
「…俺…独り占めしていいですか?」
ドキッ
「…えっ!?ひ、独り占め!?」
「はい」
「…えっと…」
何となく分かってるものの自信なんてない。
まさかとは思うけど有り得ないよね?なんて…
「茉弥さんにとって俺…」
私は微笑むと劉生君に抱き付く。
「…茉弥…さん?」
「…きだよ…」
「…えっ?」
「劉生が好き…」
抱き付いた身体を離し始める。
グイッと後頭部を押され私達は再びキスをすると至近距離で
「…俺も…茉弥が好きだから…俺と…付き合って欲しい」
ドキン
「…本当に…良いの…?」
「良くないなら “好き” とか、“付き合って” なんて言わない」
「…そうだね…」
私達は再びキスをし何度も何度も唇を交わすと抱きしめ合う。
「…茉弥…改めて宜しく!」
「…うん…宜しく!劉生!」
そして私達の付き合いが始まったんだけど─────
デートを度々重ねるも何処に行くにも視線を感じる。
劉生はカッコイイのもあるし、一時期インスタ(Instagram)をしていた事を聞いた事がある。
元彼女(かの)にかなり嫉妬されたらしくインスタを辞めたとか?
それだけ劉生は目立つ存在なんだと、つくづく改めて実感している。
年齢差もあるし親子と見られてもおかしくないし姉弟と思われてもおかしくない。
劉生は気にしないのかな?なんて……
チラリと劉生を見ると視線がぶつかった。
ドキッ
私は、つい目をそらしてしまった。
「…ご、ごめん…」
「えっ?どうして謝るの?意識してる証拠でしょう?」
「えっ?それは…」
クスクス笑う劉生。
「もう…!年上をからかわ…な…ぃ…」
片頬を優しく触れるとキスされた。
「まわり(周囲)は気にしなくて良いから」
ドキン…
《気付いてたの…?》
「俺が選んで好きになった相手(ひと)だから。と言うより…俺も茉弥が他の異性から見られてるのは正直、気になって仕方がないんだけど…」
「…えっ…?」
「だから茉弥だけじゃなくて俺も同じだから…俺から離れないで欲しい」
ドキッ
「…えっ…!?大丈夫だよ。劉生も離れないでね。嫌になったら早く言ってよね!」
「大丈夫です!」
私達はキスを交わすと微笑み合い抱きしめ合うのだった。
~ E N D ~
あなたと初めて~出会った瞬間~ ハル @haru4649
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