揺蕩う少年は夢の中

猫月蘭夢@とあるお嬢様の元飼い猫ショコラ

第1話

いつからか僕は囚われてる。


この、監獄


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「⬛︎⬛︎。ちゃんと力つけるんだぞ?」


僕にとって姉のような存在。

…僕を庇い亡くなった被害者。


暗転する。


「あらあら。⬛︎⬛︎ちゃん?今日も一緒に遊びましょうか」


僕の母。

穏やかな人だった。

…僕の齢が十になろうとしたとき、亡くなった。


暗転する。


「⬛︎⬛︎!今日も一緒に遊びましょう!」


僕の幼い頃の友人。

…僕が事件に巻き込まれそうになった時に代わりに捕まり亡くなった。


暗転する。


「⬛︎⬛︎。お前は当主となる人間だ。きちんと教育を受けよ」


僕の父。

厳格でとても厳しい人だった。

たまに見せる優しさがとても嬉しかった。

…僕の齢が十一になろうとしたとき、亡くなった。


暗転する。


「⬛︎⬛︎様。御当主様となられたのです。皆に挨拶をせねば」


僕の執事。

父の時代から勤めていた人で、信頼・信用をおける人だ。

…僕の齢が十五になろうとしたとき、亡くなった。


暗転する。


「⬛︎⬛︎!久しぶりね。あなたの婚約者が会いにきてくれたわよ?」


僕の婚約者。

僕の周りにいる人の中で唯一亡くならなかった女性


僕が周りの人を亡くならせたくなくて。

勝手に氷の城を作って。

その中の一室に氷で作られた棺の中。

今も僕は眠っている。


勝手に眠って…ごめんね。

僕の愛しい婚約者。


ああみんなも。

勝手に眠らせて…ごめんね。




みんな僕が息を吹き返らせてあげるから。

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