第11話 獅子たちは亡霊騎士に勝利する
「グゥゥルガァァ!」
レオシュの
「まずは、
「あー、馬も攻撃してくるんでしたっけ」
親子からいただいたスモモをかじりながら、メトジェイとラドミラは観戦している。のんきな、と言われればその通りなのだが、二人はレオシュとオレクを信頼しているし、親子に必要以上の不安を持たせたくもなかった。その不安と恐怖は、
レオシュの咆哮に
「ギ! ィィィィィィイイイイイ!!!」
対角線上の足を攻撃され、馬はバランスを崩す。それでも
レオシュは馬の攻撃を、斧頭ではなく斧刃の刃先で受け止める。蹄鉄がはめられているのか、金属と金属がこすれる不快な音が響く。刃こぼれを起こすのではないか、と心配になるころ、レオシュは軽く押し返した。
オレクが、残る右後ろ脚を踏みつけるのと同じタイミングだったのを見たのは、メトジェイだけだ。
馬は不自然なほどにのけ反り、
「オレクゥ、その靄の中に入っちゃだめだよぅ。人の身には有害だからねぇ」
「うっわマジか、サンキューメトジェイ!」
靄の向こう側、突っ切ろうとした仲間へと、メトジェイは声をかける。どうにか忠告は間に合ったようで、返答があった。
「メトジェイさん、ちょっとお伺いしたいんですが」
「んー?」
「
ラドミラの敵はもっぱら酔っ払いなので、
「
「あー、なるほど」
ラドミラは緊張感なく、ぽんと手を叩く。
「ありがとうございます」
「どういたしまして」
ラドミラはちらりと家族に視線をやって、メトジェイにお礼を言った。メトジェイは戦場から目を離さなかったが、しっぽを軽く揺らした。
オレクはまだ靄の中から姿を現さない。迂回しているのだとしても、それほど広範囲ではないはずなので、タイミングを計っているのだろう。
レオシュは
オレクは、まだ姿を現さない。
レオシュはさらに踏み込み、
「っふ!」
鋭い呼気とともに振り下ろした。
ッガィン!
「っひ」
「大丈夫ですよ、こっちまではきませんから」
「案外強いねぇ、あの
レオシュは開始時の位置より広場の中央寄りにいる。
「オレクさん、出てきませんねぇ」
「タイミングを計ってるんだと思うよぅ」
「あ、そうだぁ」
「どうしました」
メトジェイがちらりとラドミラを見た。ラドミラは水で喉を潤して、それからメトジェイの方を見た。
「
「まあほとんどただ働きも同然に来てもらっていますし、戦利品は持って行って貰って構わないと思います。私使えませんし」
「そこなんだぁ」
「いやあ、権利があるのはまずは皆さんで、それから私だと思うのですが」
「そうだねぇ」
「というか、靄になって消えてしまわないんですか?」
「んー」
メトジェイも水を口に含んだ。
「
「おお、割と直接的でした」
「ダンジョンだと倒した後に戦利品、って形で、宝箱が落ちてね。そこに
「あー、ここダンジョンじゃないですもんね」
「そうそう。だから、まずは腕ごと
トン、と軽やかに、オレクが
時間経過で
躍り出たオレクはその鋭い鉤爪で、
「アアアアアアアアアアアッッッッッッ!!!!!」
「おいおい、ちゃんと相手してくれよ」
確かにオレクの初撃は
亡霊騎士は君を選ぶ 稲葉 すず @XetNsh
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