イカれたメイドのしゅき放題

#5

｢お食事の時間です。ご主人様｣

｢今宵も料理上手のメイドちゃんがご主人様の為に腕によりをかけて用意致しました｣

ガタガタガタッ！

｢ステイ！｣

｢何を勝手に食べようとしているのでしょうか？｣

｢ふむ……。私が何かヤラかす前にさっさと食べてしまおうという魂胆ですね？｣

｢はい。図星ですね｣

｢ふふふっ。ご主人様のことならばメイドちゃんは何でもお見通しですよ｣

｢確かにこのまま食べても服が弾け飛んで全裸になってしまうぐらいには美味しい料理ではありますが……｣

｢やはり更に美味しくする為の『スパイス』が必要です｣

｢ん？｣

｢もう絶食は勘弁してくれ、と？｣

｢えー！｣

｢やだー！｣

｢ご主人様監禁したーい！｣

｢…………｣

｢まあ…………そうですね｣

｢あまり無茶をし過ぎて後遺症が残る可能性も無きにしも非ず｣

｢仕方ありませんね｣

｢絶食監禁は年に1回ぐらいにしておきますか｣

｢またやるつもりなのか、と？｣

｢えっ、当然じゃないですかー！ご主人様監禁超楽しいですもん！｣

｢とりあえず、この話は置いておきましょう｣

｢さて｣

｢ご主人様……髪と爪と唾液だと、どれが好きですか？｣

ガタガタガタッ！

｢ステイ！ステイ！｣

｢もう！だから勝手に食べたらダメだと先程申し上げましたよね？なんで猛烈な勢いで食べようとするんですか？ダメですって｣

ガタガタガタッ！

｢大人しくしろッ！オラッ！｣

ドゴォ！

｢ふう……。静かになりましたね｣

｢それで？髪と爪と唾液のどれが好きですか？｣

｢……唾液？｣

｢へぇー……。ご主人様は私の唾液が好きなんですかー。そうですかー。へぇー｣

｢いえいえ！何も文句はありませんよ！ただご主人様はそういう趣味なのだと再確認しただけでございますよ！おほほ！｣

｢まあ｣

｢髪も爪も唾液も全部入ってるんですけどね｣

｢あっ、安心してください。ちゃんと分からないように粉末状にして混ぜ込んでありますので｣

｢いやほら。髪とかそのままだと噛みきれませんし、爪だと喉に引っかかって吐き出されてしまうかも知れないじゃないですか｣

｢ご主人様にはちゃんと私の身体の1部を摂取して体内に吸収して貰わないといけませんからね。そこら辺のケアはバッチリですよ｣

｢はぁ……。ご主人様に取り込まれてしまう私……これで私とご主人様は一心同体……身も心もひとつです……｣

｢…………？？？｣

｢何を今更｣

｢今回だけじゃなくて、いつも入れてますよ？｣

｢…………？？？｣

｢当たり前じゃないですか｣

｢むしろ今まで気が付かなかったんですか？｣

｢ふむ……。それも問題ですね｣

｢私の身体の1部を摂取していたにも関わらず、その自覚が無かったと｣

｢ちゃんと言っておくべきでしたね｣

｢ご主人様にはちゃんと今メイドちゃんの身体の1部を摂取しているんだってことを自覚させながら食事させるべきでした｣

｢その自覚を持つことで、これまでよりも私の料理を美味しく感じることが出来るでしょう｣

｢これからは気をつけますね！｣

｢そうですよ｣

｢人生諦めが肝心です｣

｢何を諦めるかは知りませんけど｣

｢そういうことです｣

｢さて｣

｢食事にしましょうか｣

｢ご主人様は私の唾液をご消耗ということで｣

｢あむっ ｣

もぐもぐもぐっ。

｢ペッ！｣

ベチャッ！

｢はい。召し上がれ♡｣

｢…………？｣

｢どうかなさいました？｣

｢えっ、何って｣

｢メイドちゃんの唾液ブレンドミートボールですよ｣

｢ご主人様が食べやすいようにぐちゃぐちゃにして私の唾液を絡ませてあります｣

｢ええー？だってご主人様がメイドちゃんの唾液を飲みたくて飲みたくてしょうがないって言うから。だから、仕方なくこうして私の唾液まみれにしてあげたんじゃないですか｣

｢なんの不満があるんですか？｣

｢……は？｣

｢汚い？｣

｢えっ｣

｢なんですか｣

｢もしかして、ご主人様｣

｢私の唾液が汚いって言ってるんですか？｣

｢またまた｣

｢そんなお戯れを｣

｢あ”ッ？｣

バンッ！

｢日常的にベロチューしながら唾液の交換してイチャイチャしてるのに私の唾液が飲めないって言うんですかッ？｣

｢飲めますよねッ？｣

｢いいから、さっさと食え｣

｢あっ｣

｢私ったらどうやら勘違いをしていたみたいですね｣

｢食べられないというのは自分では食べられないから食べさせて欲しいということだったんですね？｣

｢もう！それならそうとちゃんと言ってくださいよ！｣

｢まったくご主人様ったら甘えん坊ちゃんですねー。自分一人じゃまともに食事も出来ないんでちゅねー｣

｢そういうことでしたら、よろしいでしょう｣

｢私が食べさせてあげますね♡｣

グチャッ！

｢あっ、いけません。ちょっと力加減を間違えて握りつぶしてしまいました｣

｢まあ、でも。味に変わりはありませんから問題無いでしょう｣

｢はい。召し上がれ♡｣

グチャ、ニチャ、ビチャッ。

｢あらあら。私の手のひらにこびり付いた肉片をそんな必死になってガッツいて……。んっ……。ちょっと、くすぐったいですね｣

｢ふふふっ。ほら、ちゃんと残さず綺麗に食べるんですよ。汚れてしまった私の手のひらも……ちゃぁんと舐め回して綺麗にしましょうねぇ｣

｢ペロペロ、ペロペロ……｣

｢今のご主人様……まるで犬みたいでとぉっても可愛いですね｣

｢美味しいでしょう？｣

｢ねえ、美味しいでしょう？｣

｢私の料理は最高でしょう？｣

｢まだまだ沢山ありませからね｣

｢心ゆくまでご堪能くださいねっ♡｣