エピローグ
翌朝。
一夜かけて、たっぷりと分からせられた私は、ベッドの上で、隣にいるアリサに謝った。
「ごめんなさい……」
「……私の方こそ、ごめんね、やりすぎちゃった。ちょっとお酒入ってたし、まあ、チャラってことで」
ちょ、ちょっとってレベルじゃなかったけど……。
まあ、気にするところじゃないし、いいや。
それよりも、私には一つ、どうしても気になることがあった。
「でもさ、な、なんで薬が効いてなかったの?」
「薬?」
不思議そうなアリサに、魔法薬と昨日の計画の話をする。
本当なら理想の相手に見えるはずなのに、アリサは私だと看破していた。
「……絶対、作る時にミスはなかったはずなのに。もしかして、薬に耐性があるとか?」
「ああ、昨日のはそういうことだったんだね。それは…………」
と、話し始めるアリサの言葉を聞きながら、私はあの時のことを思い出していた。
それは、薬を作り終えた時。
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「……一応余った分で、実験してみるか」
そう思い立ち、余った材料でもう一度作り、私の髪の毛を入れる。
そして、妹に飲ませてみた。
めちゃくちゃ嫌がられたけど、お小遣いあげるから、でなんとかなった。
これで、妹が私の理想の相手に見えるはず……。
「……で、この薬、なんなの?」
薬を飲みながら、妹が尋ねる。
「いや、それはひみ……つ…………」
私の言葉が止まる。
それもそのはず。
私の目の前に現れたのは。
アリ…………
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「…………エマちゃん、昨日、私みたいな子に自分みたいなのが愛されるなんて、絶対ない、みたいなこと言ってたよね?」
……確かに、そう言った。
「だけど、薬にも絶対の自信がある。
ね、どっちの絶対を信じればいいか……分かるよね?」
揶揄うように、ニヤリと笑うアリサ。
その答えを、私が分からせられていることを、見透かし切っている笑顔だった。
【GL】私を弄んで別の女と浮気していた彼女に復讐しようと思ったら逆に分からせられる話 @fujinobu
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