第8話エピローグ

「雨止みましたね。オジサンありがとうございました。タバコは辞める気はしませんが、お先に」

と、バンドマンは外に出て走って行った。

プップー

と、クラクションが鳴る。

「あ、嫁さんだ。オジサンありがとね。また、いつか」

サラリーマンは車の助手席に乗り去って行った。

30代の男は、

「オジサン、今夜の雨宿りは最高でした。禁煙する気になってきました。ありがとうございました」

と、小走りに駅を去って行った。間もなく、再び雨が降り出した。

カップルとホームレスは、まだ雨宿りしなくてはいけなかった。


「もっと、話しねぇのか?兄ちゃん」

と、サングラスを掛けたスーツ姿の中年男性に言った。

「どんなお話しを?」

と、返事した。

カップルはまだ、ベンチに座っている。


「これは、古代ローマ帝国の時代……」


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真夏の夜の悪夢 羽弦トリス @September-0919

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