第7話煙草取締法2

等々、喫煙者の弾圧が始まり、煙草取締法違反で検挙される事件が多くなった。

しかし、喫煙秘密結社は裏で活動していたが、最悪の事態に。

取り引き現場の倉庫に警察が現れたのだ。

バイヤーである喫煙秘密結社は武器を所持してなかったが、仲間の密輸業者は拳銃を持っていた。

密輸業者の1人が、羽弦に武器をいくつか渡した。

沢口、田山、須田と4人で拳銃を分けて玉も共有し、警察と激しい撃ち合いになった。

そして、羽弦は言った。

「皆さんともこれで、お別れです。私はこの1本を吸ったら自決します。煙草の無い世界は地獄です。皆さんは逃げて下さい」

そう言って羽弦は煙草を吸い始めた。

須田も煙草を吸おうとしたら、動作が止まった。

「須田さん!須田さん!」

周りの掛け声に反応しない。額から血液が流れていた。

頭を撃ち抜かれたのだ。

亡くなった須田を横に寝かせ、羽弦は口にした煙草を須田の唇に咥えさせた。

線香代わりの、追悼の煙草だ。

遺された、沢口、田山、羽弦は現場から思いっきり走り、逃げようとした。

密輸業者はマシンガンで応戦する。


すると、ぐぁっ!

「どうしました?田山さん」

田山は胸から血を流していた。

「まだ、軽症です。田山さん、私が担ぎますので、さ、早くっ」

すると、

「羽弦さん。ありがとう。だけど、沢口さんと逃げて下さい!沢口さ……」

沢口はしゃがみ込んだ。

白いワイシャツに血液が溢れていた。

「羽弦さん、あなただけは逃げて下さい」

「いや、私はここで自決します」

「駄目です。逃げて再び煙草が吸える世の中を作って下さい。私も、もう長くはありません」

「そうですか……皆さん、立派な喫煙者の死に方でした。田山、生きてまた会いましょう」


羽弦が倉庫を飛び出た瞬間、倉庫は爆発した。

密輸業者が自爆したのだ。全員死亡であろう。

羽弦は1人残され、自販機の裏に隠れて喫煙した。

爆発の時に拳銃を落としたらしい。自決使用としたが、田山の遺言を思い出し、自分は煙草文化を後世に伝える覚悟をした。

数時間ぶりに、煙草を吸ったのでヤニクラして、転倒した。

しかし、羽弦は動かない。

後頭部をぶつけて、死んだのである。


後世の教科書に載った。

「煙草秘密結社の最期」

と、言うタイトルで昔はタバコと言う麻薬があって、国民の数百万人が常習していたが、最後まで警察と戦った文化人がいた事が挿し絵付きで保健体育の教科書に載ったのだ。

煙草文化は過去のモノとなってしまった。



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