猫を愛した死神

猫月蘭夢@とあるお嬢様の元飼い猫ショコラ

主人は猫を愛していた。

主人あるじは言った。


「嗚呼すまない。ワタシの猫たちよ」


「もうワタシの寿命も近いようだ」


「すまないワタシの猫たちよ。新たな主人を探しに行っておいで」


主人はそう言って僕らの前を去った。


この時を境に1匹、また一匹と去って行った。


最後に残ったのはボクだけだった。


主人、帰ってこないかな?

寂しいよ。

主人とまた遊びたい。

主人はいつも僕らに優しくて。

僕らが何をしても許してくれた。

例え僕らが火の中にいようと主人は助けてくれた。

また、主人に会いたいと思うのは傲慢だろうか。

主人の寿命を縮めたヤツが会いたいと願うのは。



外から暴風が聞こえる。


最近は辺りの天気が荒れているのかコロコロと天気が変わる音がする。

次に晴れた時にでもここを出よう。

もうご飯もない。

ここにいては命が危ない。


晴れてきた。

急いでこの辺りから逃げていこう。





目の前に去っていった猫たちが見える。





数秒後、猫は死んだ。

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