ひとは自らを滅ぼし得るものに対してさえ憧れを抱く――無意識のうちにも

キャンバスに描いたものが具現化すると言われるほどの天才と評される画家のもとに、またひとり、噂を聞きつけた依頼人が現れる。
八百年の時を“生きて”きた彼の真の望みを画家が叶えたとき…

短編のため、これ以上書くとネタバレになってしまいますのでここまで。

抑えた筆致の、非常にオーソドックスな吸血鬼譚×ヴィクトリア朝モノは、幾つ書かれていてもついつい手を伸ばしてしまいます。