第4話

(あいつが行きそうなとこは海だ!)

燐は走って海に行った。

そしてそこに翠は居た。

「やっぱりここに居たか」と言う燐は息がきれぎれだ。

「なんで…燐来ちゃうの」と言う翠は泣いている。

「翠のことが好きだから」と言う燐は真面目な顔をして言う。

「え…

けど、私はすぐ死のうとするよ。

ほんとに?私でいいの?」と言う翠。

「翠がいいんだ!

翠以外考えられないんだ!」と言う燐は泣いていた。

「そっか…

でも…私は今から死ぬよ」と言う翠。

(ッチ、やっぱだめか!)と思う燐。

「翠、じゃぁ俺も死ぬ」と言う燐は翠のこと以外考えられなくなっていた。

「燐は生きてよ。

私に構わないで!燐には生きてほしいよ!

私よりいい人絶対いるし、私と同じときに死のうとしないでよ」と必死に伝える翠。

「じゃぁ、翠も死ぬのやめろよ

俺に生きてほしいと思う翠と同じように俺は翠にも生きてほしいんだ!」と叫ぶ燐。

「燐。ごめんね…

私はもういいんだ…」と言う翠はなにもかも諦めた表情をしていた。

そんな翠を見て燐は翠のことを抱きしめる。

「え…?燐?なんで」と言う翠。

「さっきも言った。好きだから俺から離れようとするなよ!

俺は翠がいるから生きてるんだよ」と言う燐。

「そっか。わかった。

死ぬのやめるよ」と言う翠。

「よかった」と安心する燐。

「燐、けど私は半年後には居なくなるよ」と言う翠。

「翠!まだ…死ぬ気?」と言う燐。

「違うよ。生きたいよ」と言う翠。

「だったら生きろよ」と言う燐。

「違うんだよ。私癌なんだよ」と言う翠。

「え…治るんだよな…?」と言う燐。

「手術代が500万いるんだよね」と悲しそうに言う翠。

「翠、生きろ

金なら俺がなんとかする」と言う燐。

「え…いいよ。大丈夫だから。燐はなにもしなくていいよ」と言う翠。

「わかった。

その代わり入院しろ。

少しでも長く生きろ」と言う燐。

「わかった」と言う翠。


(死なせてたまるか!俺がなんとかする)と思う燐。


翠が入院して1ヶ月が経った。

(500万なんとか用意できた。

400万は親から借りた。

100万は俺の貯金から。

これなら…)と思い翠の病院に向かう燐。

「先生、こんにちは」と言う燐。

目の前にいるのは白衣を着た医者だ。

翠の担当医である夏縫(なつほう)先生だ。

男の先生だ。

「燐くんどうしたんだ?」と言う夏縫先生。

「翠の手術代、貯まりました。

手術してくれませんか」と言う燐は真剣だ。

「おぉ、貯まったのか!

たった1ヶ月で!すごいじゃないか」と言う夏縫先生。

「先生、手術できそうですか?」と聞く燐。

「あぁ、大丈夫だ」と言う夏縫先生。


「翠、手術受けろ」と言う燐。

「え…けど手術代…ないよ」と言う翠。

「俺が出しといた」と言う燐。

「え!?なんで!」と言う翠は驚いている。

「好きだから。好きな人が困ってるならたすけたい」と言う燐。

「ありがと、燐」と言う翠は嬉しそうだ。

(やっぱまだ生きたいよな)と思う燐。


手術の日当日

「燐、頑張ってくるね」と言う翠。

「おう。頑張れよ」と言う燐。


5時間後

「手術は無事成功です」と言う夏縫先生。

「良かったぁ」と言う燐。

「退院は2週間後にしましょう」と言う夏縫先生。

「わかりました。」と言う燐。


そして2週間後

退院した翠とデートする。

「どこか行きたいところあるか?」と聞く燐。

「映画見たい」と言う翠。

「映画?なんの映画だ?」と言う燐。

「夜歌の殺人事件簿 雪の中編」と言う翠。

「翠って推理系好きだったけ?」と言う燐。

「好きだよ!」と言う翠。


そしてそれから4年後

翠と燐は社会人になりまだ交際していた。

そして、その日は遊園地デートをして夜景を見ていた。

「翠、好きだ結婚してくれ」と言う燐。

「はい!喜んで!」と言う翠の目には涙が浮かんでいた。


そうして2人は結婚して子どもにも恵まれて幸せになりました。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

死にたがりの君に恋をする 夜歌 @suzuneko01140615

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ