いつか君と光を見よう。

タミ @猫部

第1話

私は4歳の頃、引っ越してきた。

訳も分からず、新しい幼稚園に入れられた。

全員知らない子、はじめましての子。

なんて声かければいいのか分からず、戸惑っていた。

すると、1人の女の子が

「こんにちは!陽茉莉っていうの?」

「うん。」

「可愛い名前だね!」

その子はニコッとして言った。


「私、葵。よろしくね!」

「よろしく!」

その日はド緊張で 、全く楽しめなかった。

次の日、皆が優しく接してくれたおかげで、幼稚園が楽しくなった。

ずっと続けばいいのにと思った……。


時が過ぎるのは早く、───卒園を迎えた。

幼稚園で過ごした時間はあっという間だった。

とっても仲良くなった友達全員、違う小学校だった。

悲しかった。

一緒に通いたかった。

でも……、叶えることは出来ない。


それからすぐ、小学校に入学した。

胸がドキドキした。

それ以上に楽しそう!という思いの方が強かった。

友達は何人かしかいない。

しかも、男子だけ。話しずらい…。


周りを見ると1人、ぽつんと座っている子がいた。

(全員知らない子なのかな?)


幼稚園で同じ経験をしている私は、自分も葵ちゃんのように喋りかけてみようと思った。


(あの子のような笑顔で。)

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

いつか君と光を見よう。 タミ @猫部 @ukenn

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ