昨今の株価下落に思う事

ほらほら

偉そうな事言いますが……

 日経平均、連日最高値更新!……などとつい先ごろまで大いに取り沙汰されること暫し。

 米国株高、新NISAの開始とも重なり、株式熱の高まりはやおら日本中を覆い尽くす程の勢いで、その熱は凄まじいものがありました。


 ところがその勢いは何処へやら、米国の景気減速に伴う株安と本邦の利上げ・通貨高の影響で4万4000円を超えた日経平均はみるみる下落。

 本日に至っては一時3万6000円の節目を割り、4%以上の下落をみせて終値3万8020円と、実に4月以来の安値に叩き落されてしまいました。


 新NISAで株を始めた方の中には今や大きな含み損を抱え、心胆寒からしめられる思いをしている方も少なくないではないでしょうか。


 勿論、こう言う方もいるでしょう。


「いやいやこのくらいの下落、長期投資が前提だから屁でもないよ!」


 なる程確かに、この程度の下げ20年、30年のスパンで見れば大したことはないでしょう。実際、長期でガチホすれば株式指数は上昇すると、過去のデータでは出ていますよね。

 オルカンやS&P500、或いは日系225やTOPIXを毎月ドル・コスト平均法で積み立てれば間違いなく儲かると。


 でもこの際だから言っても良いですか?

 それ、自分の頭で考えてます?


 アナリストやらストラテジストとか、自称プロ個人投資家のインフルエンサーとか、良く分からない肩書の、見ず知らずの人間の意見を丸呑みにしていませんか?


 今回みたいな時、一時的にしろ大事なお金が1割2割と減るのに耐えられますか?

 そもそも、過去のデータって高々100年くらいのデータがあてになるんですか?


 彼等が何の思惑を持って、その発言をするのか理解していますか?


 そりゃ誰だってお金を設けたい。欲を言うなら楽して大金を稼ぎたい。

 そう思うから大事な大事なお金を投じて利殖を試す訳です。

 でも、楽して儲かるなんてうまい話がそうゴロゴロしてたら、世の中苦労は無いんですよ。あったら自分一人で隠して人には教えないはずです。


 それが今は、仲介で儲かる銀行や証券会社はともかく、国家、政府ぐるみで株を買えと言っている。何か変だと思いませんか?


 そんなに株が儲かるなら国で専門家を雇ってソブリンファンドでも立ち上げて、利益を国民に分配すれば良い。プロ集団である銀行がもっとリスクを取ってアクティブに運用して預金利率を上げれば良い。


 それをしないで、ど素人である一般大衆を切った張ったの鉄火場に引きずり出すのは何故?答えは簡単、言わなくてもわかりますよね。ノーリスクで手数料をチュウチュウしてた方が楽に儲かるからです。


 良く投資はゼロサムゲームであると言われます。勝つ人がいれば負ける人もいる。何も知らない人に、美味しい話があるよとそそのかして投資させ、後は知らん顔。解ってる人は鴨葱を美味しく頂けるという寸法。


 そこまで理解した上で、あなたは投資をしていますか? 弱肉強食の金融市場で自分だけは生き残れるとそう絶対の自信を持った上で勝負に臨んでいますか?


 大事なことなのでもう一度言います。それ、自分の頭で考えてますか?

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