第8話デートの〆に…♡

◯食事処


(SE)ガヤガヤと賑わう店内。厨房で調理する子気味いい音が遠く聞こえる。


「今日は、すっごく楽しかった。……連れて来てくれて、ありがと。」


美緒さんが喜んでくれて何よりだ。しかし、俺には今日一日我慢していた言葉がある。


「え?『実は通だろ』だって……?」


岩盤浴もサウナもあんまり行ったことが無いという割には詳しすぎる。やけに施設の設備やルールに詳しいのも不可解だったのだ。


「あはは、バレちゃったか……。なんていうか、その?……君にエスコートしてもらおうと思って……。え?……『好きなものは一緒に楽しみたい。これからは隠さないで』……?……うん、分かった。」


美緒さんは、少し眉を下げて頷いてくれた。好きなものは好きでいい。ただ、隠さずに一緒に楽しい時間を共有できるのが一番だと思ったので、美緒さんが理解してくれたのはうれしかった。


そうこうしていると、店員が料理を持ってやって来た。


店員「ヘイ!ビールとデカ盛り煮卵ラーメンおまちッ!!」


ドン、とテーブルに置かれるラーメン×2とビール×2。美緒さんは目を輝かせた。


「おっ。来た!やっぱり、サウナの後と言ったら……これだよね!」


美緒さんは早速割り箸を割る。(SE)


「キンキンに冷やされたビール!!それにラーメン!さっ、食べよ♪……かんぱーい!!」


ジョッキ同士がぶつかってカン、と軽快な音を立てる。

ごっごっごっ……(SE)と、喉越し抜群の辛口ビールを身体にぶち込む美緒さん。


「ぷはぁ〜〜〜〜ッ♡♡これこれッ!!これの為に今日という1日を過ごして来たの!!!」


美緒さんは再び豪快にビールを流し込んだ。(SE)美味そうに飲む姿に、俺も思わず喉を鳴らす。

 

「ジョッキごとキンキンに冷やされた辛口ビールが渇いた身体に染みわたる〜〜〜♡温泉施設のレストランなのにこだわり抜いた小麦粉で造られた中太ちぢれ麺に絡むこの豚骨濃厚スープが……最高にマッチして美味しい〜♡♡」


美緒さんは美味しそうにラーメンをすすった。(SE)


「流した汗の分やっぱり水分補給しなきゃね♡ラーメンなら水分と塩分を同時に摂取できるからピッタリ♪それに、岩盤浴やサウナって意外と体力使うからカロリーも補わなきゃだし……一石三鳥だね♡」


 上機嫌な美緒さん。しかし、なんだか様子がおかしい。


「ささ、君も遠慮せずに飲みたまえ♡私の奢りだー!!……なんちゃって。あははは!」


そうだった。美緒さんはあんまり酒に強くない。酔っぱらってしまったのだろうか。


「……え?酔ってない、酔ってない!!」


これはどうやって家に帰そうか……などと思案する。帰り道の途中で別れた後、無事に家まで帰れるだろうか。


「酔ってないよぉ!」


俺の気も知らず、未だに弁明する美緒さん。……仕方ない。今日は、俺の家で介抱しよう。


「ねぇ、また一緒に……整いに来ようね♡」


楽しそうにしている美緒さんが見られるのであれば、何度だって来よう。

また、整いに来るとしよう。


fin.

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スーパー銭湯でととのい♡デート~きみとの癒しのHOTなひととき~ 梶原めぐる @8557_kajihara

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