第4話 可愛そ可愛いは正義である

古びた教会で立ちながら教祖の教えを皆が聞いている。


「泣き顔は可哀想で可愛い。苦し顔は可哀想で可愛い。諦め顔は可哀想で可愛い。」

「教祖様、なぜ可愛そ可愛い教を作ったのですか?」

「あぁ。にゃむのような可哀想な子は、可愛いと言われ救われるべきと思ったのもありますが、それ以上に可哀想な顔はとてもかわいい感性があり、皆それを知るべきだとにゃむは悟ったのです。」


教祖の名は、ニャン=エスト。

人間に猫耳やしっぽが生えた見た目だが、猫耳もしっぽも神経は通っていない。

かといって種族が猫じゃないわけでもない。

神経はとうの昔に切断したのだ。


「きょうそさま!」

「双子の片方の子か。どうしたの?」

「...ぇ...っと...」


ニャンに話しかけてきたのは双子の女の子だった。

前々から二人で教会には来ていたのだが、片方だけで教会に来て、話しかけてきた。


「お父さんとお母さん、妹、いじめてる...。お父さんとお母さんを消して...!!」


(信者の悩みを聞くこともにゃむの役目)


「いいよ。消してきてあげる。」


◯―――――◯


「お姉ちゃんありがとう...!!私も信者になる!!」

「にゃむ自身の義務だからね。平気だよ。」


血まみれの少女がそこにいた。


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楽しく殺ろうや〜戦闘日常を添えて〜 空野 猫 @soranoneko

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