エピローグ  あの録音テープの声を、画面越しから聞くたびに

 おわかりになりましたか? 老婆の声の『お姉ちゃん』と、ミステリー事件の検証番組の画面越しで聞く、録音テープからの『お姉ちゃん』は、私の記憶の中で同一人物として認識しています。


 病気のせいで左耳が難聴となった今と違い、当時は人一倍、己の耳のよさを自慢に思っていました。


 他にも根拠として、『東日本大震災』の起こる前、K町から事件の起きた都市へ、車さえあれば移動が苦にもならないばかりか、事件が起きた都市から県庁所在地都市まで、車で通勤するような猛者も、決して珍しくない時代でした。


 地理的条件と訛りを根拠にすると、あの録音テープと私が聞いた声の主は、別人だった可能性……の方が低いです。


 あの録音テープはイタズラ扱いのため、警察に情報提供する訳にもいかず、この経験を知る人間は、私の周囲に全く存在しません。


 画面越しに、あの老婆の声を聞くたび、少女の悲しそうな表情を思い浮かべるのは、何故でしょうか……ネ。

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老婆の声 赤羽 倫果 @TN6751SK

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