エピローグ あの録音テープの声を、画面越しから聞くたびに
おわかりになりましたか? 老婆の声の『お姉ちゃん』と、ミステリー事件の検証番組の画面越しで聞く、録音テープからの『お姉ちゃん』は、私の記憶の中で同一人物として認識しています。
病気のせいで左耳が難聴となった今と違い、当時は人一倍、己の耳のよさを自慢に思っていました。
他にも根拠として、『東日本大震災』の起こる前、K町から事件の起きた都市へ、車さえあれば移動が苦にもならないばかりか、事件が起きた都市から県庁所在地都市まで、車で通勤するような猛者も、決して珍しくない時代でした。
地理的条件と訛りを根拠にすると、あの録音テープと私が聞いた声の主は、別人だった可能性……の方が低いです。
あの録音テープはイタズラ扱いのため、警察に情報提供する訳にもいかず、この経験を知る人間は、私の周囲に全く存在しません。
画面越しに、あの老婆の声を聞くたび、少女の悲しそうな表情を思い浮かべるのは、何故でしょうか……ネ。
老婆の声 赤羽 倫果 @TN6751SK
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます